グリル マルヨシ(grill maruyoshi)/天王寺

創業1946年の「グリル マルヨシ(grill maruyoshi)」。大阪が誇る名洋食店であり、テレビ出演多数、食べログでは百名店、ミシュランではビブグルマンに選出されています。もちろんそういったメディアが影響力を持つ以前から大阪では普通に有名店です。近所には姉妹店の「プチグリルマルヨシ」もあります。
行列を避けるため開店5分前に訪れポールポジションを獲得し、オープンと同時に入店。「ご予約は?」との問いかけに狼狽しますが、これはランチでも予約可能なだけであり、予約ナシでも普通に入店可能でした。30分もすれば店内は満席で、記帳台へ名前を書いて待つ方式へと移行するのですが、回転は悪くありません。
平日ランチの正面装備はメインのプレートにスープ・ライス。日で変わるのかもしれませんが、この日のスープは普通の味噌汁でした。
メインのプレートには一番人気にしてシグネチャーでもある「特製ロールキャベツ」を注文。1,650円です。ぐわー、このロースキャベツは凄まじいサイズ感ですねえ。成人男性のゲンコツよりもひと回り大きく、ソフトボールほどの圧力があります。ソースは綺麗にあいがけされており、左翼がデミグラスソース、右翼がカレーソースです。
2種のソースの境目からナイフを入れると、真っピンクなミンチ肉が登場。口にしてみるとキチンと火は通っているのにこの鮮やかなロゼ。一体どういうメカニズムなのでしょうか。キャベツの甘さが生きておりお肉もガチっと食べ応えあり。2種のソースも濃厚で、特大ながら全く食べ飽きることがありません。
ちなみにランチタイムはライスがフリーフロー。ロールキャベツをオカズにしても良し、先のデミグラスソースとカレーソースと併せて食べて勝手にカレー化しても良し。様々な楽しみ方が可能な定食です。
興が乗ってグランドメニューから「野菜たっぷりタンシチュー」を単品で追加注文。もちろん主役はタンなのでしょうが、個人的にはサラサラとした口当たりのシチュー部分がお気に入り。ライスをお代わりする手が止まらない罪な料理であり、しまいにはセルフで雑炊化して糖質オン。
美味しかったし、何より安い。古典的な洋食店でランチを千円かそこらでお腹いっぱい楽しめるお店は大変貴重。「洋食 おがた」のように京都系の端正な(そして高価な)洋食も良いですが、当店のようにざっくばらんな洋食も見逃せない魅力があります。次回は「ミックスフライ定食」を注文しよう。「シナモンコロッケ」なる謎の料理も気になる。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。