私は年間に70回ほど飛行機に乗る生活を送っており、そのベースとなるのは羽田空港。とは言え空港グルメは味気ない上に割高でもあるので、昼過ぎのフライトの場合はどこでランチを摂るべきか常に頭を悩ませています。
この日は羽田に最も近い大都会、蒲田へとお邪魔しました。蒲田は餃子を始めとするアジア料理店やトンカツ屋が多い印象ですが、ここのところ煮干ラーメンの「麺屋 まほろ芭(めんや まほろば)」も話題です。本郷三丁目の人気店「麺屋 ねむ瑠」の姉妹店です。JR蒲田と京急蒲田の間にあるので、乗り換えついでに訪れるのも良いかもしれません。
店内はカウンター席に奥に小さなテーブル席。あまりグループで食べにくるような雰囲気では無く、仕切りが透明な一蘭のような方向性です。ちなみに券売機の調子が悪かったので、お釣りはきちんと確認しておきましょう。
こちらは「濃厚海老煮干そば」。当店は所謂セメント系煮干ラーメン屋なのですが、その濃厚なスープに更に海老の風味を重ねて行きます。海老と煮干の蠱惑的な匂いに誘われスープに口を付けると香ばしい甲殻類の旨味が爆発。強烈なアタックで記憶に残る味わいです。沸かせてくれるぜ。
麺は細めで綺麗な成り立ち。しかしながらスープの味覚があまりに暴力的で、麺本来の味わいを愉しめているかと問われると自信がありません。淡麗系のフレーバーを選択した場合は理解が進むのかもしれません。
こちらは季節限定の「濃厚牡蠣煮干そば」。うひょー、先の海老に輪をかけてパンチ力がありますねえ。煮干の味がマスキングされるほど牡蠣のパンチが強く、牡蠣よりも牡蠣の味がします。でもこれ、まともなイタリアンレストランのパスタ料理として食べれば3千円ぐらいは請求できるのではないか。それほどカキ充な一杯です。
替え玉は210円。いわゆる油そば的に調味がされており、オマケのトッピングも付いてきます。そのまま食べても中々に美味しく、先のスープに浸してつけ麺的にサドンデスを楽しむもよし。ラーメンはデフォルトでは麺少な目なので、成人男性であれば替え玉前提で臨んだ方が良いでしょう。
フライトのついでにと雑なテンションでお邪魔しましたが、大変失礼致しました大変美味しかったです。綺麗なラーメンを好む方にとっては邪道中の邪道かもしれませんが、まさにトリックスターな味わいであり、何とも中毒性のある悪魔的なラーメンでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。