牧志公設市場あたりのガチャついた飲み屋街の一画にある「知花冷凍食品」。強烈なインパクトのある店名ですが、冷凍食品を出す飲み屋というわけではなく、店主の両親の商売の屋号を引き継いだ、れっきとした居酒屋です。
店内はカウンターが3-4席にテーブルが2つと小さい。頑張れば屋外でも飲み食いできますが、予約して訪れるのが無難です。我々は1時間ほどしか滞在していなかったのに、フリーで訪れ満席で入れず肩を落として帰るグループを3-4組見かけました。つまりは人気店です。
飲み物は300円台から始まります。オリオン生や泡盛などが用意されているのは当然として、思いのほか日本酒や焼酎のラインナップが強く、全方位的な楽しみ方があります。オリオン生は安いのですがジョッキは小さく、であればオリオンのプレミアムビール「75」のほうが精神的に豊かに感じました。
お通しはワカサギの天ぷら。このあたりの飲み屋としては群を抜いた丁寧な料理であり、牧志名物のせんべろ店とはまるで別物と捉えたほうが良さそうです。おひたしなども添えられており、かなりきちんとしたツマミでした。お造り3種盛り。この日は生サバにカツオ、ツブ貝。こちらも東京のきちんとした割烹料理店で食べるそれに比肩する味わいであり、店名とのギャップに萌えます。ただしこの盛り合わせで1,800円と、牧志の飲み屋としてはかなり強気の価格設定です。
あん肝ポン酢。この料理を沖縄で食べるのは初めてかもしれません。薄くスライスされており酒のアテにピッタリです。
旬野菜の天麩羅。野菜のみの盛り合わせですが、衣が厚くどっしりとした口当たりで食べ応えがあります。
「県産魚アスパラバター」は欧米系の調理であり、淡泊な魚とバターのコクが良く合います。泡瀬の「パヤオ直売店」のガーリックバター焼きとは次元の異なる味覚でした。
ジーマーミ豆腐磯辺揚げ出し。ジーマーミ豆腐のモチモチとした食感が面白く、いわゆる揚げ出し豆腐とはまた違った楽しさがあります。お出汁もジーマーミ豆腐の甘辛いタレを志向しているのか興味深い味付けでした。
以上を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり4,000円弱。このあたりのせんべろエリアとしては高めの価格設定ですが、料理のクオリティを考えれば納得の支払い金額です。ハシゴ酒というよりもじっくりと食事を楽しみに来るつもりで、事前に予約をして訪れると良いでしょう。
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