ワイニスタ(WINISTA)/総曲輪(富山)

富山屈指の繁華街「総曲輪(そうがわ)」に位置する「ワイニスタ(WINISTA)」。松谷幸司オーナーソムリエが統べる店であり、ディナータイムはコース料理とワインのペアリングが基本のリストランテ。ただし平日のお昼には手頃なパスタランチも提供されています。
店内はカウンター数席にテーブルがいくつかで、トータルでは15席ほどでしょうか。テーブル席はランチタイムであってもバリっとクロスが張られており背筋が伸びます。私の経験上オーナーソムリエのお店は、厨房に閉じこもりがちな料理人と違って、料理・ワイン・サービス・雰囲気をきちんと把握し、その全てに行き届いていることが多く間違いがありません。
パスタランチにはスープとパンが付帯します。この日のスープはミネストローネで、トマトの刺々しい酸味はなく、野菜全体の優しい甘味が心地よい。このミネストローネは旨い。新宿「Il Lato(イル ラート)」のそれに方向性が似ています。
600円の追加料金で注文できる前菜の盛り合わせ。この日のラインナップはサーモンのタルタルにカポナータ、茄子のラザニアにコテキーノ(豚肉のソーセージ)。小さいポーションながらそれぞれ緻密に練られた作品でありワインが欲しくなります。
パンはシンプル。先の総菜セットと合わせて食べたり、次のパスタのソースを拭って食べるのにちょうど良い素朴さです。
自慢の「低加水パスタフレスカ」は「フレッシュバジルのビアンコソース」をチョイス。なるほど低加水パスタらしくモチモチとした食感で、麺そのものがバリ旨いです。これは大盛りにして麺を大量摂取したほうが良かったかもしれん。そのような後悔が渦巻く美味なるパスタでした。
ドルチェはいくつか用意されており、プラス500円で追加注文することができます。私は「ガトーショコラ」を選択。王道中の王道といった味わいです。
以上を食べお会計は2,530円。これは色々と追加注文した結果であり、スープ+パン+パスタであれば1,320円ということを考えると大変にお値打ちと言えるでしょう。「ル マルタン ペシュール(LE MARTIN PECHEUR)」と同様、やはりソムリエがオーナーのお店は当たりが多い。これは宇宙の真実なのかもしれません。今度は夜に来てみよう。

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富山は食の宝庫。天然の生け簀である富山湾にジビエや山菜が豊富な山々、そして米と水。レストランのレベルは非常に高く、支払金額は東京の3割引~半額の印象です。だいぶ調子に乗ってきた金沢が嫌な方は是非とも富山に。
観光地としてあまりパっとしない富山県につき、「幸福県」すなわち「恵まれた自然環境の下、住居・労働・教育などの都市機能が整備されている県」であることに目を付けた富山本。富山の魅力を様々な観点から紐解いています。

羊飼いの食卓 Tiscali(ティスカリ)/恵比寿

羊肉料理で名を馳せた「Tiscali(ティスカリ)」が不動前から恵比寿へ移転。希少な北海道産の羊を半頭仕入れし、日々の状態を見ながら解体してゲストに提供するという試みです。ディナーは1万円超えは当たり前の高級店ですが、ランチは千円台から用意されています。
店内はかなり広く、30席ほどはあるでしょうか。厨房に面したカウンター席とゆとりをもって配置されたテーブル席。奥にはテラス席もあって、暖かい季節に活躍しそうです。
我々はランチのコース3,500円を注文。まずは前菜盛り合わせ。コッパやボッタルガ、カルパッチョという表現があったので、ジャンルとしてはイタリアンのお店のようです。スープはたっぷりの豆にタマネギの甘味が溶け込み、愛情を感じる美味しさでした。
パンはごくごくシンプルなフォカッチャ。それでも前菜盛り合わせにおける自家製ハムやレバーペーストなどと合わせて食べて、すっかり上質なオープンサンドへと昇華します。
主題のラムチョップ。ランチなので薄い骨付き肉が1-2本出てくる程度かなと思いきや、中々にゴロっとした塊肉がやってきました。肉そのものの美味しさは勿論のこと、思いきりの良い調味や付け合わせのお野菜たちのレベルが非常に高く、きちんとしたレストランのメインディッシュに比肩するクオリティです。
デザートはセミフレッド。焦がしキャラメルのビターな風味が心地よく、バケツで買っておうちに常備したいほどです。
食後にお茶も付いてきます。総量としてはそれほど多いというわけではありませんが、純粋に美味しいのですっかり満足。平日のちょっとしたランチで3,500円というのは一見高く見えますが、あのラムチョップはきちんとしたレストランで夜に食べて数千円は当たり前のクオリティなので、結果、大変お値打ちに感じました。次回は夜に訪れ、最高値の希少な羊を試してみたいと思います。パスタも旨そうだ。

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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
恵比寿を中心に話題店が整理されています。Kindle Unlimitedだと無料で読める。それにしては圧倒的な情報量。スマホやタブレットに忍ばせておくと出先で役立ちます。

ワイン食堂トランク(Trunq)/久茂地(那覇)

株式会社トランクが手掛けるレストラン事業「ワイン食堂トランク(Trunq)」。国際通りから路地をチョロっと入った所にあり、このあたり地元の方が利用する雰囲気の良いお店が多い。
店内は広く、バーカウンターをぐるりと取り囲むカウンター席が10席強にテーブル席、奥にはソファの個室なども用意されています。個室で善男善女がワイワイやっており楽しそう(写真は公式ウェブサイトより)。またキッチンが非常に広く料理人が働き易そうでした。
酒が安い。グラスのシャンパーニュはルイロデで850円と、恐らく世界で最も良心的な価格設定です。ソムリエは「会社がワイン事業も手掛けているので~」と謙遜するのですが、それだけでは説明のつかない価格設定です。
料理は全てアラカルト注文。まずはバーニャカウダ。オーソドックスなスタイルで普通に美味しいのですが、なんとこのひと皿が250円。スーパーでバーニャカウダセットを買うよりも安くつきます。
「やんばる若鶏のレバームース」はフワっとした口当たりが心地よく、綺麗なレバーの風味もグッドです。ちなみにこちら1ピース200円であり、当店はこんな感じで何でもバリ安いので気前よくジャンジャン注文しましょう。
島豚のサルシッチャ。飲めるほどに肉汁が詰まっており、リア・ディゾンのようなボリューム感があります。スーパーで売っているウインナーとはまるで別物の猛々しさ。
島豚ロースの炭火焼き。脂の比率が高めですが、脂そのものに甘味と旨味が詰まっており、脂を食べる料理です。炭火のスモーキーな風味も心地よく、ローズマリーの香りで後味を整理します。
〆の炭水化物はカルボナーラ。一般的なカルボナーラの1.5-2倍近くのタレを用いた贅沢仕様。またフェトチーネは生麺だそうで、このクオリティのパスタを千円で出すとは恐れ入る。
以上を食べ、派手目に飲んでひとりあたり5千円といったところで、普通の飲酒量であれば3-4千円に落ち着くことでしょう。この店はいい、すごくいい。唯一の難点は営業日が木金土の20時~のみという点。行って後悔することはまずないので、計画的に狙って訪れましょう。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。

ヘンリーズ バーガー 代官山 (HENRY'S BURGER Daikanyama)

市ヶ谷の人気店「炭火焼肉なかはら」が手掛けるハンバーガー専門店「ヘンリーズ バーガー 代官山 (HENRY'S BURGER Daikanyama)」。一頭買いした和牛の焼肉には適さない部位をミンチにしてパティにしているようで、どう考えたって美味しいバーガーです。ちなみに「ヘンリー」とは、オーナーであるムッシュ中原健太郎がアメリカで暮らしていた際の英語名だそうです。
店内は狭小で、イートインするスペースはあるにはあるのですが席数が限られており、テイクアウト前提で訪れたほうが良いでしょう。なに、近くには目黒川があり、川べりのベンチに座って食べれば全て解決です。ちなみに自由が丘店はもう少し席数があるようです。
私は運よくベンチが空いていたのでサっと腰かけてアツアツのままでパっと食べることに。ハンバーガーは一種のみで、肉の枚数とチーズの有無を選ぶ程度です。ドリンクとポテトはコンボで600円近くを要し、やや割高に感じました。
飲み物はラテを選択。先ほど「やや割高」と記しましたが、スタバのトールサイズを注文することを考えれば、こんなものと言えばこんなものかもしれません。
主役のハンバーガー。これはもう、ハンバーガーというよりも肉ですね。ツナギなしの黒毛和牛100%。粗挽きであるためか、肉そのものの旨さがダイレクトに伝わって来ます。新鮮なレタスに厚切りのトマトとモスバーガーの上位互換のような味わい(褒め言葉です)。肉の枚数はダブルにしたのですが、不思議と口当たりは軽いので、トリプルやクアッドにすれば良かったなあと少し後悔。
他方、ポテトはとても普通ですね。ハンバーガーが美味しいだけに、やっぱりドリンクとセットで600円近い追加料金を要するのであれば、代わりに肉を1枚追加したほうが当店の美点を楽しむことができるでしょう。
いずれにせよ、このレベルのハンバーガーが「マンチズ バーガー シャック」のような行列が無く(それはテイクアウト前提の功罪でもあるのだけれど)、2千円以内で楽しめるのは嬉しい。目黒川沿いのお散歩や花見のお供に是非どうぞ。

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鼎元豆漿(ディンユァンドゥジャン)/中正記念堂(台北)

最初は「阜杭豆漿」という台北でトップクラスに有名な豆漿屋に向かったのですが、冗談抜きで500人ぐらい並んでいたので諦めて、代わりに中正記念堂駅近くの「鼎元豆漿(ディンユァンドゥジャン)」へ。こちらは平日10時の到着だったのですが行列は無く、店内席も6-7割の入りといったところでした。
店内は入って奥がイートイン向けのカウンター、手前がテイクアウト用のカウンターです。行列時は並ぶところを間違えないように気を付けましょう。日本語も英語も通じませんが、日本人向けのオーダーシート(ラミネート加工されたメニュー表)はあるので、過度に心配する必要はありません。
オーダーシートを渡すと学食よろしくその場で料理を用意してくれます。小籠包は注文が入ってから蒸し始めるのか、番号札を渡されるのでテーブルに戻って待機。卓上にわかりやすいように置いておけば、出来上がり次第持って来てくれます。
豆漿には甘いのと甘くないのがあって、我々は甘くない方を選択。加えて玉子入りかナシかのチョイスもあり、人生は選択の連続である。料理そのものは沖縄の「ゆし豆腐」を濃厚にしたような食べ物であり、塩気はもちろん干しエビの旨味などもきいており美味しい。ちなみに玉子入りは茶碗蒸しのような風味が感じられ、玉子ナシだとより大豆の風味が際立つという印象です。
こちらは「蛋餅」といって、台湾では定番のオカズ系クレープです。中にはネギやら薄焼き玉子やらが含まれており、塩味のお好み焼きのような味わい。
小籠包は大ぶりのものが8つで500円ほど。専門店のそれに比べると大味で粗さが目立ちますが、値段を考えれば寧ろ割安と言えるかもしれません。
甘味もあります。こちらは「黒芝麻酥餅」で、黒ゴマをたっぷり用いた中華風デニッシュといったところ。(たぶん)バターを使用していないからか、欧米系のデニッシュに比べるとクドくなく、パクパクサクサクと食べ進めることができます。
以上を食べて合計で1,700円ほど。この量と質でひとりあたり千円を切るとは驚きの費用対効果です。旅行者としては冒頭に記した街いちばんの「阜杭豆漿」を訪れたいところですが、料理の性質的に美味しさがそう変わるものでは無いとも思うので、当店「鼎元豆漿(ディンユァンドゥジャン)」でも充分に満足できるでしょう。少なくとも私はとても楽しめたし、友人にも積極的におすすめしたい。

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#ヒロキヤ恵比寿

焼肉好きのDJ hirokiが焼肉店「#ヒロキヤ恵比寿」を開業。場所は恵比寿駅から渋谷方面に歩いてピーコックの裏手あたりです。
店内はコンクリート打ちっぱなしでインダストリアルな雰囲気。お店は意外とコンパクトで、15-16席ほどでしょうか。割に早い時間から空いているようで、我々も早めにお邪魔したつもりなのに、もう食べ終えて帰るところのグループが居てびっくり。
瓶ビールは880円とやや高めですが、恵比寿のこの手の焼肉屋としてはこんなもんでしょう。飲み放題プランもあるようで、それなりに飲むグループであれば飲み放題一択です。合コンで起用すれば幹事の株も上がることでしょう。
初めてお邪魔するお店なので、コースでお願いしました。まずは「味噌ユッケ」。日本でユッケが条件付き運航となってから、これだけの合法ユッケを目にするのは初めてかもしれません。
お皿の上にひっくり返してワッフルコーンを割ると、卵黄がトロリ。これはもう、どうやったって美味しいですね。ワッフルコーンの優しい甘味に調味つよつよのユッケ、卵黄ソースと皆が大好きな味わいです。見て楽しく食べて美味しい。ソウルの広蔵市場あたりに近々パクられるかもしれません。
キムチの盛り合わせ。右上の白菜は生であり、「焼肉チャンピオン」の生キムチにベクトルが似ています。上に置かれているのは茄子を中心としたものでありカポナータ風の味わいで面白かった。
生肉、続く。左の黄色いやつは「塩ユッケ」であり、ネギ塩をたんまりとトッピングした上で卵黄を流し込む。これで美味しくないわけがありません。ちなみに隣客はアラカルトで注文しており、その場合の「塩ユッケ」はサダハルアオキのアントルメのようで楽しかった。
ナムルの盛り合わせ。当店は肉だけでなく、こういったサイドメニューが豊富に取りそろえられているのが良いですね。もちろん肉をたっぷり食べるのですが、これらの脇役陣の働きのおかげで全く飽きを感じさせません。
さてここから焼き物に入ります。まずはタン特集。タンモト・タンナカ・タンゲタだったっけな。冒頭のアイスクリームこそ映え重視ですが、このタンのカットとプレゼンテーションは硬派な焼肉屋そのものです。
同じタンながらそれぞれ違った楽しみ方があり、とりわけタンゲタはしっかりと焼きつつゴリゴリとした食感をいつまでも楽しむスタイルで酒を呼ぶ逸品です。
お口直し(?)にドッサリとレタスもやってきました。ドレッシングはビーツのもので、キッパリとした酸味が味蕾の脂を除去します。
ハラミ特集。思いのほか脂が潤沢で柔らか。これがハラミかと驚く口当たりです。こちらが申し訳なく思う程こまめに網を替えてもらえるのも有難い。
ホルモンは4種の部位が鍋に収まってやってきます。ドロドロこってりとした味噌ダレをスプーンですくって口に含み、ビールで流し込む背徳感。ホルモンのタレって、網からボタボタ落ちてもったいないなあと常々感じていたのですが、思わぬ場面でその課題が解決される運びとなりました。
「ロースの山」というメニューですが、大げさでも何でもなく、本当に山になってやってきます。インリン・オブ・ジョイトイのようなのような分かりやすい物量作戦。いわゆるローストビーフ風の味わいで、そのままレア目で食べてもよし、気になる方はよく焼きでもOKという自由なひと品でした。
〆の食事は「ペッパーランチ」。権利的に大丈夫なのかと心配になる呼称ですが、呼び名やプレゼンテーションまでチープな感じが逆にいい。
奥の厨房で仕上げて下さり、たっぷりの肉にライス、バター、コーン、ネギと悪魔的な美味しさです。
コッテリしたスープもたっぷりで、なんとこれ1杯が1人前です。牛のスープと担々麺のスープをどないかしたものであり何とも猛々しい味わい。地球上の焼肉屋の〆のスープとしては最も濃いかもしれません。
デザートにはアイスクリームにマンゴーのソースをかけてもらえます。が、ちょっとこれは見た目も味わいも雑く感じました。いっそのこと映えまっしぐらのカキ氷などがあっても良いかもしれません。

以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり1万円と少し。肉の質と量を考えれば大変お値打ちと言えるでしょう。写真を撮りに行くだけのチャラいお店かなと斜に構えてお邪魔したのですが、普通に、いやかなり美味しい。リーズナブルでスタッフの感じも良く、実に真面目な焼肉屋です。肩書や芸風から変に誤解され、焼肉ガチ勢から食わず嫌いされていたらお互いに勿体ないなと感じた夜でした。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。お気に入りのお店をご紹介。
寺門ジモン監督の焼肉映画。焼肉文化についてここまでシリアスに描けているのは監督の焼肉に対する並々ならぬ拘りに因るのでしょう。焼肉業界の有名店や有名人も沢山登場するので、焼肉通を標榜するのであれば必修科目の1本です。