ラーメン二郎の目黒店は三田本店の直系で、数あるのれん分けの中でも特別視されている存在であり、「メグジ」の愛称で親しまれています。山手通り沿いにあり目黒駅・中目黒駅のいずれもから歩いて20分近く要するにも関わらず連日の大行列。
疫病騒ぎも下火となり、現在(2022年秋)はご覧の通りの営業時間に落ち着いたようです。私は2020年5月に「鍋二郎(なべじろう)」を楽しんで以来です。ちなみに「鍋二郎」とは、もともとは三田本店で慶應義塾體育會(たいいくかい、と読み、つまり体育会のこと)の学生のために始まったサービス。部室にある鍋を持って行って裏口から「千円で」と申し添えて鍋を渡すと、その鍋いっぱいにワッサワッサと盛ってくれた裏技。その「鍋二郎」がコロナの影響により目黒店で復活する運びとなりました。
平日12:30頃に訪れ7-8人の待ち行列。それでも回転が速い店舗なので、10分ほどしか待ちませんでした。店内はカウンター8席のみで、野球の攻守交替のように4人づつ入れ替わり一斉スタートという仕組みです。店内に入るよう店員から促されれば、入り口にある冷水機でセルフで水を汲み着席です。
ちなみに「4人づつ入れ替わり一斉スタート」はかなり重要なルールで、ちんたらダベりながら食べていると店員から注意が入るのが当店の特徴です。グーグルの検索候補には「怖い」「追い出し」「喧嘩」など穏やかでない単語が並んでいますが、普通に食べていれば怒られることはまずありません。
着席から数分で「小ラーメン豚入り」が着丼。様式美とも言える盛り付けです。コールは「ヤサイだけ」にしました。ちなみに二郎系では野菜やニンニクの増減カスタマイズを「コール」と呼び、独特のルールがあるのですが、それらの解説サイトは星の数ほどあるので、事前にググって予習しておきましょう。
ヤサイの量は思いのほか少なく、気が付くと豚と麺だけになっていました。豚については薄切りと細切れがミックスされており、三田本店のように塊肉を厚切りカットするスタイルとはやや異なります。
麺は太く平打ちで軽く縮れています。讃岐うどんもかくやというコシの強さであり、ワシャワシャとした噛み応え。それでも二郎系としては量が控えめの店舗であり、その辺のラーメン屋でラーメンとチャーハンセットを食べ切れる胃袋をお持ちであれば余裕で完食できるでしょう。
私の注文「小ラーメン豚入り」は600円。都内のラーメン屋は800-900円が当たり前の状況の中、最安値の「小ラーメン」は500円という奇跡の価格設定。グーグルマップの口コミでは店員の態度が悪いだの何だのといった口コミも散見されますが、ワンコインで腹いっぱいになれる町のラーメン屋に何を求めているのかなあ。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。