京都で最も有名な中華料理店「マルシン飯店」。「町中華で飲ろうぜ」を始め、取り上げられたメディアを挙げればキリがありません。食べログでは当然に百名店に選出。その行列の長さも京都イチであり、平日昼間であっても1時間待ちは当たり前。私はオープン10分前の10:50に到着したのですが既に25人待ちです。
明確にそう宣言されているわけではありませんが、ピークタイムは総入れ替え制のようで、1回あたり15名ほどのキャパ。私は2回転目での入店で11:40に着席することができました。店内は4人テーブルをパーティションで区切っており、1-2人で訪れるべき構成です。「何で席が空いているのに中に入れないんだ!」と激怒している方がいらっしゃいましたが、一食千円以下の行列店にアレコレ言っても詮の無いことです。
11:48に着丼。10:50に並び始めたので、食事にありつけるまで実に1時間を要しました。ちなみに営業時間は11:00から翌朝06:00までと「眠らないマルシン」なので、行列を避けたい方は丑三つ時などに訪れると良いでしょう。
ゲストのほぼ全員が注文する「天津飯」は850円。卵がトロトロのフワフワで、新手の卵かけごはんを食べているかのよう。餡の調味は強くその量も多いので、やはり新手の雑炊を食べているかのような気分です。唯一無二の絶品!というわけではなく、まあ普通に美味しいよねというレベルです。ネット上の口コミは神格化され過ぎな気もします。
餃子は普通の餃子と熟成豚肉餃子があって、大して値段も変わらない(360円→450円)ので後者を選択。お肉には京都中勢以の熟成豚を用いており、なるほど餡にコクがあり独特の風味が感じられました。思いきりの良い焼き目も気持ちよく、「天津飯」よりも強く心に残りました。
「牛肉とピーマン炒め(チンジャオロースー)」は1,430円。当店は殆どのメニューが千円を切るところ、この料理だけ飛び抜けた価格設定です。しかしながら肉は和牛を用いており、そのボリューム感を考えれば当店で費用対効果が最も高い料理はコチラかもしれません。味ももちろん素晴らしく、ピーマンとタケノコのシャッキリ感、玉ねぎの甘味、牛肉の食べ応えと私の理想とする青椒肉絲に近いものがありました。天津飯がダントツの人気を誇り一見客は必ず注文しますが、意外に直接材料費率は低く養分的なニュアンスを感じました。空いている時間に訪れて色んな中華ツマミを注文し、しこたま飲んで〆の炭水化物に天津飯、みたいな使い方が最強の勝ちパターンかもしれません。最強の勝ちパターンって何?
関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
- 木山(きやま)/ 丸太町 ←マイ・ベスト・京都メシ。おひとりさまも大歓迎。
- にくの匠 三芳(みよし)/祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
- 祇園にしかわ/祇園 ←今の東京は何かが狂っていると言わざるを得ない。
- CAINOYA (カイノヤ)/四条河原町 ←鹿児島で国内外のフーディーを集める店が京都に移転。
- Gibier MIYAMA(ジビエミヤマ)/祇園 ←ダークファンタジー。
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町 ←足し算の中華料理。
- 室町 和久傳(むろまちわくでん)/烏丸御池 ←やっぱり和久傳が好き。
- 田がわ/御幸町 ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園 ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- 末友/祇園 ←ミシュラン2ツ星。非の打ち所が無いお店。
- 祇園にし/祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵/高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い!
- レストランひらまつ 高台寺 ←立地や雰囲気が抜群。
- 祇園 呂色 (ぎおん ろいろ) ←円熟味を増した料理人は儲けよりもゲストの笑顔を直でゲットする方向に向かう。
- 呑喜屋むね(のんきやむね)/御所南 ←ここが私のアナザースカイ。
- 山元麺蔵 (やまもとめんぞう)/岡崎 ←私が世界で一番旨いと考えるうどん屋。