2017年にオープンしたトンカツ専門店「名代かつ屋 万さく(まんさく)」。姶良市役所のすぐ近くであり、駐車場は10台ほど用意されています。もともとは「馬酔木」という鮮魚が自慢の飲み屋があって、その姉妹店という位置付けのようです。
店内はカウンター席にテーブル席、ボックスシートと家族連れにも優しい運用(写真は公式ウェブサイトより)。姶良市ではトップクラスに人気の飲食店であり、トンカツ屋としては南九州イチとも名高い。ランチタイムは行列するのですが、我々は14時というヘンテコな時間に訪れたので待ちナシで着席できました。
スペシャリテであり一番人気の「特上黒豚熟成ロースかつ膳」。ランチタイムは数百円安くて1,958円。特殊な冷蔵庫で何日も熟成させ、タンパク質を上手く分解しているそうです。どういうメカニズムかは知らん。
おお、確かに旨いぞ。外皮はサクっとした歯ざわりでありつつ、肉そのものは非常にジューシー。脂と赤身のバランスも良く、肉そのものが大変美味しい。もちろん東京でもこの手の味覚にはありつけますが、2-3割は値付けが安く感じます。
卓上調味料は山ほどありますが塩が推しの模様。地味にキャベツが美味しくって、お代わりOKなので山盛り食べてしまいました。とんかつソースはもちろんドレッシングが2種も用意されてるから無限に食べることができるのです。
お味噌汁は非常に特徴的で、麦の風味の強い甘口の白味噌です。具沢山なのは嬉しいのですがバリバリに甘いので好みが分かれるところでしょう。
香の物のレベルも高く、手作りの愛情が伝わる味覚です。客単価数万円の日本料理店で出されるものに遜色ない美味しさでした。
当然にライスも美味しい。部活に一生懸命な高校生であれば4-5杯は平らげてしまいそうです。前述の通りキャベツがお代わりOKなのは当然として、先の味噌汁やライスもフリーフローです。
こちらは「厚切りヒレかつ膳」で1,958円。グランドメニューからの注文で、ランチタイムの特別料金はありません。「厚切りヒレかつ」なのですが、先の「特上黒豚熟成ロースかつ」ほどの衝撃は無く、まあ普通に美味しいヒレかつだよね、というお気持ちです。豚の品種由来なのかややクセが強く独特の香りが感じられます。
なるほど人気の理由が良くわかる美味しさであり、何より費用対効果も大変高い。東京でも同クオリティのトンカツを楽しむことはできるのですが、当店は2-3割は安い印象。近所にあれば通い詰めてしまいそうな、日々のごちそうにピッタリのトンカツでした。関連記事
私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
- とんかつ マンジェ/八尾(大阪) ←とんかつの聖地。私のとんかつ観を変えた店。
- もち豚とんかつ たいよう/武蔵小山 ←気の良い料理人は何を作っても美味しいものだ。
- とんかつ成蔵(なりくら)/南阿佐ヶ谷 ←トンカツに5千円?しかも予約制?
- あげ福/五反田 ←アクセスのよい成蔵。
- とんかつ都/麻布十番 ←無名ですが実力派。肌理の細かい衣が特長的。
- ポンチ軒/新お茶の水 ←肉がミルキー。行列が短いのもグッド。
- とんき/目黒 ←都内屈指の老舗。16:30には行列が。
- とんかつ大宝(たいほう)/目黒 ←2千円以下の部、優勝店
- 豚組(ぶたぐみ)/西麻布 ←西麻布のオシャレとんかつ。味も最高峰。飲み屋として使うのも良し。
- 豚組食堂/六本木 ←豚組のセカンドライン。ヒルズ内かつ通し営業と使い勝手良し。
- のもと家/大門 ←売り切れ必至。大門の超人気店。
- 檍(あおき)/大門 ←蒲田の超人気店がとんかつ激戦区、大門に進出。
- 丸五/秋葉原 ←ミシュランのビブグルマン(安ウマ店)をゲットしており、秋葉原の観光も兼ねて外国人にも大人気。
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とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。