エリオ・ロカンダ・イタリアーナ （Elio Locanda Italiana）／麹町

老舗のイタリアン「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ （Elio Locanda Italiana）」。都心のイタリア料理店としては必修科目とも言えるお店であり、食べログでは当然に百名店に選出されています。ちなみに「ロカンダ」とは郷土料理を出す民宿のこと。オーナーのエリオさんの親族がイタリアでロカンダを営んでいたことに由来するそうです。
イタリアのレストランをそのまま切り取って持ってきたような雰囲気で、みんな笑顔です。イタリア人スタッフのテンションはバリ高く、完全にアッパー系の店。静かに食事を楽しみたい方は色々と無理でしょう。
お店そのものは中々の高級店なのですが、ワインは手頃なものも用意されており、ハウスワインのボトルなどは4千円台から楽しむことができます。ひとり1本ペースで飲んじゃった。
アラカルトでの注文が中心のお店ですが、我々は1.2万円のコースでお願いしました。生ハムに柿、フレッシュチーズと心地よい酒のツマミです。
前菜3種盛り。中央の柔らかハンバーグ的な料理が珍しい食感で、もっと君のことを深く知りたいと思わせる味わいです。
ワタリガニのパスタ。カニの旨味がソースの隅々まで行き渡っており美味。麺はキタッラで、グニグニとした食感に小麦の風味が心地よい。アラカルトでこれ1皿丸ごと食べても良かったかな。
パン類は極めてシンプルな味覚ですが、濃いめのソースが多かったので、それらを拭って食べるにちょうど良かったです。
パスタ、続く。左はラムをグツグツしたものであり、最早パスタ料理というよりも肉料理に近い存在感。右はホワイトアスパラガスのリゾットであり、大地を感じる土っぽい味覚に頬がほころぶ。
ヘダイ。むっちりとジューシーな味覚でストレートに旨い。またこれだけの大箱ながらピッタリの焼き加減で用意できており、厨房のチームワークはバッチリでしょう。濃厚なソースもしっくりくる。
メインは牛肉。脂たっぷりであるものの実にエレガントな味わいであり、肉そのものが旨い。トリュフの量も的確で、食欲を刺激する香りです。
私のお誕生日会だったので、デザートで工夫して頂けました。店じゅうの照明が落とされスタッフみんながハッピーバースデーを歌ってくれ、嬉しいやら気恥ずかしいやら。世界は優しさで満ちている。
食後のお茶と小菓子でフィニッシュ。ごちそうさまでした。上記のコース料理が1.2万円で、ひとり1本づつのペースでワインを飲んでお会計はひとりあたり2万円弱といったところ。コースは6千円台からあって、そんなに飲まなければ1万円内に収まる寸法です。
お金の話はさておき、当店の特長はお店の雰囲気ですね。チャーミングなレセプショニストの案内に始まり、ゲストの誰もが常連扱いの温かい接客。圧倒的に陽キャな空気感。ジャンルとしては広尾の「ラ・ビスボッチャ（LA BISBOCCIA）」に近いかもしれませんがエリオのほうが断然好き。ちょっとした海外旅行を疑似体験できる楽しいお店でした。

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