豚中華 大阪焼売珍 千日前店/難波

NMB48劇場(川上千尋推し)の帰りに何かつまんで帰ろうかいとグーグルマップで見ると「高評価」に位置づけられており、特に下調べせずにお邪魔した「豚中華 大阪焼売珍」。2021年春にオープンした中華居酒屋であり、運営元は「焼とんya たゆたゆ」という焼きトン専門店だそうです。ところで最近はこのあたりのエリアを「ウラなんば」と呼ぶんですね。普通に「千日前」で良くない?
店内はカウンターに4-5席に2人掛けのテーブルがいくつか。ギリ4人組までは入れそうですが、少人数で訪れるのが無難です。外席もいくつかあって、イッヌを連れているおっちゃんもいました。誰も予約なんかしていないけど常に満席という素晴らしいビジネスモデルです。
気軽なお店でドリンクは1杯500円かそこらであり、食事も1皿500円前後のものが多い。その気軽さからかゲストは皆ジャンジャン料理を注文し厨房内はてんてこまい。キッチンスタッフ4名ホールスタッフ1名という珍しい配員のお店です。
サラダらしいサラダが無かったので「辣白菜(ラーパーツァイ)」という白菜のピリ辛甘酢漬けに中華風のピクルスを。これが、旨い。たかだか数百円のちょっとした小皿なのですが、ガチっとした酸味とコクが感じられ、料理人のセンスを感じました。
「レア叉焼」はどういう調理なんだろう。肉そのものは脂たっぷりジューシーなのにレアでトロりとした口当たり。パンに挟んでサンドイッチにしても良さそうです。
「煮凝り」はまさに中華風フロマージュ・ド・テットであり、フランス料理のそれよりも調味がハッキリとしています。コリコリとした食感の豚の耳がたっぷり入っており酒が進みます。
看板料理の焼売に入ります。数量の増減は自由自在であり、我々はふたりで訪れたので偶数単位で注文。まずは「焼焼売」。焼売と銘打っていますがもはや別の料理であり、中華風のハンバーグのような味わい。外皮のカリっとした食感に肉の脂がジューシーに響き、本日一番のお皿です。
「蒸焼売」は「焼焼売」に比べると調味は穏やかで優しい味わい。パクパクと無限に食べることができます。
「水焼売」は水餃子風に。やはりスープの調味がハッキリとしており酒を呼ぶ味わいです。
こちらも名物料理の「焼豚足」。思いきりの良い火入れであり外皮はカリカリ。内側はこれぞコラーゲンといったプルプル仕様であり、歯の裏側に貼りつくタッチが堪りません。
麻婆豆腐は日本酒のように受け皿があり、あえて溢して盛り付けるスタイル。肉のコクとニンニクの芽のパンチのある風味が絡み合い、まさに麻婆豆腐盆に返らずの美味しさです。
火爆モツ煮込み。母体が焼きトン屋であることを最大限に活かしたひと品であり、豚肉のモツがゴッロゴロ。激しくスパイシーな調味でモツ特有の臭みなどは一切にならず、ただただ旨い。これが500円を切る価格で楽しめるのだから堪りません。
「黒酢酢豚」は期待以上に黒酢のパンチが強く絵面強めです。豚肉は一般的な酢豚のように揚げられているわけでなくシットリとした食感でやって来るので、思いのほかヘヴィな食後感です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり3千円かそこら。実に尊い費用対効果であり、バーミヤンで派手に食べるよりも安くつくのではあるまいか。料理は値段からは考えられないほど旨く、下手なホテルの中華料理店よりも全然美味しい。こんなお店に予約も無く入れるのだから大阪の食の懐は深い。オススメです。
ところで冒頭サラっと触れた川上千尋ですが、彼女はアイドルになる前はフィギュアスケートの選手であり、同じく選手であった小芝風花と同じリンクで練習していた仲。小芝風花の芸能界転身に追従し、今やNMB48のセンターを飾るスーパースターとなったのです。ふたりがリンクに残っていたら、今のフィギュアスケート業界はとんでもないことになっていたんでしょうな。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。