すし初/湯島

秋のすし初。ここのところ訪れるペースが上がっており、店主から「もうちょっと間隔を空けて来て欲しい」と牽制球を投げられました。色んな人から「連れて行って」とお願いされ、その全てに対応していると勢いハイペースとなってしまうのです。
この日のアルコールラインナップはご覧の通り。而今の右隣(Excelで言えばセル1B)にあるお酒が初対面であり、瑞々しい口当たりで個人的にツボでした。
まずはツマミから。シイタケを炙って柿をトッピング。キノコの香りと旨味にフルーツの甘味が不思議と調和します。
茹で専用の落花生「おおまさり」。旬は1年のうち2週間ほどのレア物であり、目を瞠るサイズ感です。ホクホクとした食感に大地の風味。これはビールにピッタリだ。
ヒラメ。当店では珍しく熟成させたものであり、これがちょっとびっくりするぐらい美味しかった。話題の津本式(細いホースからの水圧でバーっとやる)で血抜きしており、そのへんのヒラメとはレベチの美味しさでした。
サバにアジ。ポッテリと脂がのっており、豊かな旨味に身がほだされる。当然にお酒も進みます。
カンパチも完全にメタボリック体質で旨いですねえ。軽く炙ってジュワっとしたところが一番美味しい。
茶碗蒸しにはアンキモをドーンとのっけます。これはもう四捨五入するとアンキモであり、コッテリとした風味にフォースを感じました。
賀茂茄子の田楽。どっしりとした味噌の味覚にタスマニアのマスタードが程良いアクセント。茄子そのものジューシーで食欲の秋真っ盛り。
キンキは2人で1匹を分かち合います。先日の「élan(エラン)」で食べたキンキのウロコ焼きは素晴らしかったですが、やはり煮付けといった伝統的な調理法にも見逃せない美味しさがあります。
にぎりのラインナップはこんな感じ。エビが大きくて私は大変うれしい。また、クエのにぎりが出てくるのは東京では珍しく、あつぼったい身にしっとりとした旨味が取り込まれています。

ここのところ創作色の強いコース仕立てが続いていましたが、今回はドーンと素材に回帰しており、とりわけヒラメが素晴らしかった。来るタイミングに拠ってここまで印象の異なる鮨屋は珍しいと思う。次回は冬ですね。色々と脂がのって美味しいんだろうな。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。