お好み焼き激戦地のミナミにおいても一際行列の長さが目立つ「美津の(みづの)」。のはずでしたが、この日は何故かガラガラであり(平日17時)、特にお腹は空いていませんでしたが神の思し召しと捉えそのまま入店。
当店は1945年に大阪大空襲で焼け野原となった道頓堀に喫茶店として開業したのが始まりで、途中、何度かの改装を経て現在に至ります。1階はカウンターのみ10席程度。2階にテーブル席を中心に30席ほどあり、飲み会としての利用も可能です。ミシュランにも掲載され(だからなのか外国人客が多い)、食べログでは百名店に選出されています。
「お二人様向きセットメニュー」の「いち押しコンビ」を注文。「ミニ山芋焼」と「ミニ美津の焼のモダン」がセットになって2,200円です。ちなみに調理は全てスタッフが担い、ゲストはただ食べるだけなのでご安心を。
こちらが一番人気の「山芋焼」。粉は使わず山芋をつなぎにして焼くお好み焼き風の食べ物です。厚切りの豚バラ肉と巨大なホタテの貝柱にトロトロ生地の山芋が流れ込む。もはやお好み焼きとは別物ですが、これはこれでありよりのあり。こういった邪道な個性的な食べ物が人気ナンバーワンとなるのだから、大阪の人間のこだわりのなさ大らかさが伝わってきます。
こちらは「モダン焼き」。何がモダンなのか意味不明ミステリアスですが、いわゆるお好み焼きと焼きそばが一体化した食べ物であり、そのいずれもを1回で食べたいという大阪の人間の厚かましい好奇心旺盛なマインドが透けて見えるひと品です。
メニューでは「ミニ」と記載されていましたが、これが全然ミニでなく、東京の一般的なお好み焼きのサイズよりも寧ろ大きいかもしれません。これらが2枚セットで2,200円とは大そうお値打ちです。
タイミングによっては行列の長さを覚悟しなければなりませんが、入店してしまえば満足すること間違いなし。生ビールを始めとするアルコール類も500円かそこらであり、ツマミも色々と用意されているので宴会での利用も良いかもしれません。ベジタリアンメニューやノングルテンメニューなど攻めた試みもあり、外国人のゲストをお連れするのも良いでしょう。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。