屋久島の玄関口、宮之浦港すぐ近くの高台にある「THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN & FOREST」。元々は「シーサイドホテル屋久島」というホテルで、2021年春に現在の形にリブランドオープンしました。
なるほどロビーは今どきのスモールラグジュアリー風であり、屋久島のテイストを活かしたスタイリッシュな空間です。他方、ハコのお洒落さに比べるとスタッフのレベルはまだまだであり、とりわけフロントスタッフの無機質な対応が気になります。全く融通の利かない接客姿勢であり、自分たちの事務処理を遵守することが一丁目一番地。ゲストに当館ひいては屋久島を楽しんでもらおうという気持ちは一度として感じられませんでした。私たちを部屋へと案内してくれたネパール人のニイチャンは唯一ニコニコと常に心温まる笑顔を浮かべており、人懐っこく素敵な接客でした。
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我々の滞在は別館の「波音日和」にて。「波音日和」の利用は中学生以上に限定されており、他のゲストの気配を殆ど感じないほど静かです。本館は昔ながらの大規模温泉ホテル的なニュアンスが強く、別館と本館では全く異なる宿泊施設と捉えたほうが良いでしょう。
客室は33平米。コンクリート打ちっぱなしの安藤建築風の空間です。奄美大島の「伝泊 The Beachfront MIJORA」にせよ、鹿児島の高級ラインではこういうのが流行っているのでしょうか。マットレスはシモンズ製とのことですが、あまり私のタイプではなく、またシーツがシワシワで誰かの使用後ではないかと心配になるほどのハウスキーピング品質です。
デスク風の長机があるのですがイスが無いという謎仕様。代わりに近くに置かれたソファベッドで代用するのですが、PC作業をするにはあまりに過酷な環境です。ウェットエリアに参ります。ベイシンが小さく使い勝手はイマイチ。またアメニティについての注意書きからSDGsがどうのこうのと御高説を賜るのですが、SDGsの本来の意味を履き違えた記述が目立ちました。
バスルームは広く、お洒落なバスタブも設置されています。窓からの眺望が素晴らしいので、明るいうちに楽しんでおくと良いでしょう。ちなみに本館の地下には大浴場があり、「柔らかな肌触りの超軟水が旅の疲れを癒やす」とありますが、単に温泉でないただの風呂というだけなので、物は言いようです(写真は公式ウェブサイトより)。
朝食は本館1階にて。本館と別館の客層はまるで異なるものの朝食は同じ空間で摂ることになります。とある家族の御子息が賑やかで、他の大人カップルがついにブチ切れてスタッフに苦情を申し立てる事件が発生し、いよいよ戦争でした。
ビュッフェ台には刺身がドーンと置かれ一瞬テンションが上がるのですが、そのクオリティはスーパーで売っているものと変わらないクオリティでテンサゲです。
その他の食事もビジホレベルであり、屋久島まで来て食べる必要性は感じられないものばかりです。佐渡の「Ryokan浦島」にせよ、離島の高級宿の食事はもうダメなのかもしれません。
かなり期待外れな滞在でした。また気になるのは公式ウェブサイトで用いられている画像の殆どがリニューアルした部分(今回われわれが滞在した施設)であり、古くからある本館部分の写真が少なく誤認を誘う構成となっているところです(画像は公式ウェブサイトより)。
本館への滞在を検討されている方は、公式の写真だけでなく、グーグルマップの画像などユーザの生の意見を仕入れておくことをお勧めします。佐渡の「Ryokan浦島」と同じく、ウェブ制作会社の腕が良すぎるというのも考えものである。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。