佐渡島は佐和田エリアにある自称オーベルジュ「Ryokan浦島」。ここ数年泊まった中ではトップクラスに酷いの宿泊施設です。食事は和か仏かの選択制であり、我々は2泊したのでその両方を。今回は和のディナーをご紹介。
夕食会場に案内された時点で嫌な予感。百畳近い大広間を襖でふたつに区切っており、お隣の部屋では家族連れの団体が乱痴気騒ぎ。アルティメットの大会でも開催されているのかと心配するほどバッタンバッタンとガキどもが暴れています。1泊7-8万円のオーベルジュ(自称)でこの乱れっぷりには流石に困惑しました。酒は安く、瓶ビールは800円ほどで、地元の日本酒も300ミリリットルで千円弱です。もうこうなったら我々もジャンジャンに酔っぱらって頓痴気騒ぎで参戦したいくらいです。
前菜は地元の食材を駆使して色々と工夫されているのですが、オコゼの揚げ物をお盆に直接置かれるのは抵抗がある。ちなみに前料理長が独立した「新潟浦島 小平」でも似たようなプレゼンテーションだったので、もしかすると彼の面影なのかもしれません。
お造りの盛り合わせ。やはり地元の魚を中心に構成されており、これはもう、文句なしに美味しいですね。とりわけマダイ・カンパチ・マグロが素晴らしく、つまるところ殆ど全部旬の岩ガキ。もちろん佐渡産でひと口でヅュルリと頂きます。まさに海の幸といった芳醇な味わいです。
ところで冒頭に隣の広間がうるさい旨を記しましたが、我々サイドの広間の他のテーブルのガキも暴れ出し親も特に注意する様子もなかったので、そのガキを目掛けて岩ガキの殻を思いきり投げつけると思いのほか私がノーコンで、的から外れて後ろの襖に突き刺さって気まずい思いをしました。冗談ですよそんなことしませんよヒヒヒ。
こちらは島の黒豚のしゃぶしゃぶで、セルフで調理します。うーん、味はもちろん美味しいのですが、お造りにせよ牡蠣にせよしゃぶしゃぶにせよ、ちょっと素材に頼り過ぎているきらいがあり、もう少し料理人の技術や個性を楽しみたいところです。仰々しいプレゼンテーションですが、これはただの出汁茶漬けです。スープをわざわざ固形燃料を用いて客席で温める必要はあるのだろうか。いや、ない。
デザート抹茶ゼリーに白玉と、コンビニスイーツレベルの代物でした。
悲痛としか言いようがない食事でした。魚介類の素材そのものは素晴らしいですが、取り立てて工夫を凝らしているわけではなく、上質な海鮮居酒屋といった印象。
ハイクラスを志向するならするで子連れNGにするなり個室限定にするなりいくらでもやりようはあるでしょう。また、子連れウェルカムな宿にしたいのであれば、大人カップルを誤認させるようなスタイリッシュな公式ウェブサイトは慎むべきでしょう。
自分たちはどういう宿を目指していて、どういうゲストで館内を満たしたいのかの自己分析が全く足りていない宿泊施設でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。