天草の名店「鮓 たいと」。ミシュランで1ツ星を獲得し、食べログでは百名店に選出されています。創業は2007年と思いのほか歴史があり、大将はかなりの若さで開業した計算になります。
店主のムッシュ永野は天草の「桂寿司」で腕を磨いたのち独立。ベクトルとしては江戸前鮨なのですが、そのあたりの技法は独学で学ばれたそうです。
ガリは丸ごと漬けたやつをカット。甘味と酸味が強くインパクトのある味わいです。シャリは硬く酸味も強く、極太麺が自慢のつけ麺屋のように噛めば噛むほどに味が滲み出てきます。にぎりのサイズは小さめではありますが、シャリの凝縮感が強いためか見た目以上に食べ応えがあります。
クルマエビ。個体そのものは小さめですが旨味と甘味がググっと詰まっており、ギュっと握り込むシャリと共に存在感のある1カンです。
天草の赤うに。鮨ヲタク垂涎のタネであり、ベロンとおっきいのコレが。シンプルに塩だけで頂くのですが、思わず目を閉じてしまう濃密な甘さです。
天草の赤うに。鮨ヲタク垂涎のタネであり、ベロンとおっきいのコレが。シンプルに塩だけで頂くのですが、思わず目を閉じてしまう濃密な甘さです。
ギョクは大和芋主体であり、黒糖でほんのりと風味付けしており、お菓子感覚でデザートのように楽しみます。
以上のランチおまかせが7,700円。このクオリティの高さでこの支払金額は天草の奇跡と言って良いでしょう。あまりに美味し過ぎたので、ある意味で夜に訪れなかったことを後悔しました。次回はツマミ付きでたっぷりのお酒と共に楽しむんだ。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- すし匠/ワイキキ ←このお店の真価が問われるのは数十年後のはず。
- 鮨m(すしえむ) ←東京という街が必要とする鮨屋。
- 照寿司(てるずし)/北九州 ←世界で最も有名な鮨職人。
- すし宮川/円山公園(札幌) ←人生でトップクラスに旨い鮨。
- 鮨さいとう/六本木一丁目 ←価格設定に色々と考えさせられる。
- 鮨 在(ざい)/広尾 ←これこれ、鮨とはこれですよ。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 初音鮨(はつねすし)/蒲田 ←西の照寿司、東の初音鮨。
- 鮨 猪股(いのまた)/川口 ←にぎりのみの男前鮨を喰らえっ!
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- くるますし/松山 ←松山への旅行が決まればいの一番に予約したいお店。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 一幸(いっこう)/すすきの ←真摯に鮨に取り組む好青年。
- 鮨処木はら(すしどころきはら)/函館 ←鮨屋の答えは函館にあったのです。
- 鮨 十兵衛/福井市 ←福井への旅行が決まれば最初に予約したいお店。
- 鮨 大門/魚津(富山) ←東京の鮨はもうオワコン。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 乙女寿司(おとめずし)/片町(金沢) ←私的北陸一番鮨。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。