1939年創業の「中華のサカイ」。京都において押しも押されもせぬ老舗の街中華であり、食べログでは百名店に選出されています。場所は京都紫野、大徳寺の近く新大宮商店街の中にあり、最寄り駅は北大路。私はタクシーで訪れたのですが、アプリで行先まで指定していたのに危うく暖簾分けの「みその橋サカイ」に連れて行かれそうになったのでご注意を。
ランチタイムは行列が生じる程の人気店なのですが、6人テーブルに2人客を平気で通すなどセカセカしていない雰囲気で、余裕をもって食事を楽しむことができます(そのぶん外で待つけど)。メディアからの取材も多く、壁には有名人のサイン色紙が多数貼られていました。
「冷めん」が名物なのですが、他にも色々注文してみましょう。こちらは旬の野菜の炒め物。あまり旬の野菜感はないラインナップですが、ベーシックに美味しいです。
エビマヨは悪くないのですが、マヨネーズソースが軽佻浮薄でありきたりの味わいでした。餃子は1人前6個で300円と安価なのですが、こちらも値段相応といった味わいであり、あまり特長は感じられませんでした。
主題の冷麺。一般的には冷やし中華と呼ばれる料理ですが、京都では冷麺と呼ぶ人が多いです。具材もシンプルで、チャーシューにキュウリ程度であり、一般的な冷やし中華の色とりどり感はありません。
麺が太くモチモチしており、冷やし中華業界としては斬新な仕様です。スープ(タレ?)はゴマをベースにカラシをきかせた辛味と酸味と甘味が感じられるスタイルであり、なるほど面白い味わいです。
とは言えいずれも日常的に溶け込む普段使いの美味しさであり、雑誌などで「唯一無二の絶品!」のように手放しで褒めそやすのはいかがなものか。「ラーメンの老舗の名店に行ったら意外にシンプルな醤油ラーメンで美味しいけれど物足りなく感じた」現象によく似たお気持ちでした。
関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
- 木山(きやま)/ 丸太町 ←マイ・ベスト・京都メシ。おひとりさまも大歓迎。
- にくの匠 三芳(みよし)/祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
- 祇園にしかわ/祇園 ←今の東京は何かが狂っていると言わざるを得ない。
- CAINOYA (カイノヤ)/四条河原町 ←鹿児島で国内外のフーディーを集める店が京都に移転。
- Gibier MIYAMA(ジビエミヤマ)/祇園 ←ダークファンタジー。
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町 ←足し算の中華料理。
- 室町 和久傳(むろまちわくでん)/烏丸御池 ←やっぱり和久傳が好き。
- 田がわ/御幸町 ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園 ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- 末友/祇園 ←ミシュラン2ツ星。非の打ち所が無いお店。
- 祇園にし/祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵/高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い!
- レストランひらまつ 高台寺 ←立地や雰囲気が抜群。
- 祇園 呂色 (ぎおん ろいろ) ←円熟味を増した料理人は儲けよりもゲストの笑顔を直でゲットする方向に向かう。
- 呑喜屋むね(のんきやむね)/御所南 ←ここが私のアナザースカイ。
- 山元麺蔵 (やまもとめんぞう)/岡崎 ←私が世界で一番旨いと考えるうどん屋。