ニセコエリアで唯一、ミシュランの星を獲得している「カミムラ(KAMIMURA)」。2007年にオープンしたフランス料理店であり、「チャトリウムニセコ」というコンドミニアム型ホテルの1階に入居します。
ちなみに当館は元々「ハイアットハウスニセコ」だったのですが、「チャトリウム」というバンコクのオペレーターへバトンタッチされたそうです。
店内は大通りに面した大きなガラス窓が印象的で、モダンでエレガントな雰囲気。我々は夏にお邪魔したので緑が映えていましたが、冬の雪の積もった幻想的な景観も魅力的です(写真は公式ウェブサイトより)。ドレスコードは特になく、スキー靴などでなければウインターウェアでの入店もOKというのは流石はニセコ。上村雄一シェフは旭川産まれ。シドニーの「Tetsuya’s」で経験を積んだ後、札幌そしてニセコで自身のレストランをオープン。現在は「チャトリウムニセコ」内にあるもう一つのダイニング「kitchen(キッチン)」も彼がプロデュースしています。
私は運転があったので炭酸水を。連れは地元のクラフトビールと羨ましい限りである。ザっとワインリストも見させて頂きましたが、シャンパーニュの最安値はルイロデの普通のやつが13,200円で、東京の一般的なレストランと同等です。
アミューズにミニトマトとモッツァレラのサラダ。アクセントにミョウガ(?)を用いているのが面白く、夏にぴったりの爽やかな味わいです。鴨と仔牛のコンソメ。この液体は神ですねえ。茶色に透き通ったシンプルなスープなのに、なぜこんなにも旨いのか。ペットボトルに詰めてリットル単位で持ち帰りたいぐらいです。
パンは自家製で、北海道らしくジャガイモを練り込んだフォカッチャです。白眉はトリュフを用いたバター。ミルクのコクたっぷりのバターの時点で美味しいのに、トリュフの香りやマッシュルームの旨味、チーズのコクを上手く活用しています。先のスープに続き、こちらもバケツに詰めて持ち帰りたいぐらいでした。
帆立のグリルは玄米のリゾットに隠れてやって来ました。帆立が美味しいのは当然として、このリゾットがバカウマです。ざっくりとした食感にアンチョビの塩気、ヘーゼルナッツの濃厚なコクと、並のイタリア料理人でも表現できない美味しさです。
メインは「星空の黒牛」という、釧路方面のブランド牛だそうです。肉の旨味と脂のバランスが良いですな。牛のエキスを用いたソースに底に敷かれた地元のジャガイモのマッシュポテトも優しい味わいです。デザートは地元の黒葡萄を用いたソルベにヨーグルトのクリーム。ぶどうの風味が濃厚で、サイズこそ小さいですが存在感のある味わいです。
お茶菓子も手が込んでいて、そのいずれもがきちんと美味しい。パンにせよバターにせよミニャルディーズにせよ、脇役陣のレベルが高いレストランは、レストランそのもののレベルが高い。断言してもいい。
ハーブティーで〆。ごちそうさまでした。以上のコースが5,500円で、ニセコの奇跡と評して良いでしょう。もちろん「サマーランチコース」という、7月〜10月上旬に限った特別コースであるためお値打ちだった面もあるかもしれませんが、それ以上に全く料理が美味しい。
次回は冬に訪れ、「シェフズデギュスタシオン(19,800円)」を是非試してみたい。きちんとしたセラーもあったので、もちろんワインとご一緒に。運転したくねーから「チャトリウムニセコ」に泊まっちゃおうかなあ。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- naoto.K(ナオトケイ)/神田錦町 ←近い将来、当店は必ず超予約困難になります。かけてもいい。
- 銀座 大石/銀座 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に。
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
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- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。
- ル マルタン ペシュール(LE MARTIN PECHEUR)/吹上(名古屋) ←フランス料理という文化に対する並々ならぬ愛情を感じました。