宮崎名物と言えば地鶏であり、「丸万焼鳥(まるまんやきとり)」など有名な郷土料理店はいくつかありますが、今回は県外客には全く無名な人気店「ふれあいの里 梅北本店」にお邪魔してみましょう。場所は都城市であり、繁華街から車で15分ほどの場所。駐車場は砂利敷きで、コイやメダカや金魚やカエルやウサギが普通にいます。
店内は入ってすぐのカウンター席とテーブル席に、少し階段を上がったお座敷席もあります。我々以外のゲストは全てが常連客であり、痺れるほどのアウェー感。大変な人気店なので必ず予約して訪れましょう。ところで「カラオケ1時間1,000円」の看板があったのですが、まさかあのお座敷でカラオケやっちまうのでしょうか。
私は運転があるのでノンアルコールビール380円でお茶を濁します。連れはせっかく宮崎に来たのだからと焼酎を楽しむのですが、1合が400円と目を疑う価格設定です。ところでゲストの殆どは地元の常連客だと記しましたが、スタッフのみんなたちは一見県外客の我々に対しても親しみを持って丁寧に接してくれたので、それほど構える必要はないでしょう。
まずは名物の「刺身上(盛り合わせ)」。このひと皿が1人前で何と1,250円です。食べる前からちょっと信じられない価格設定であり、西麻布あたりのちょづいた店であればこの皿だけで5千円は超えることでしょう。
鶏肉の部位につき私は全然詳しくないので、きっと↑の画像のリストのどれかの盛り合わせだとは思いますが、いずれにせよ生肉原理主義者にとっては夢のようなひと時です。ああ、焼酎ロックで楽しめないのが心から悔やまれます。鶏肉自慢の店だからきっと玉子焼きも旨いだろうと踏んで注文したのが大正解。この、まだらに黒焦げた雑な玉子焼きが信じられないぐらいに美味しいのです。生地の硬さから出汁が入ってるとかそんなんじゃないはずなのにベリー旨い。気前よく明太子がたっぷり組み込まれています。手羽先の唐揚げはシットリとした口当たりの独特のスタイル。こちらは思いのほか調味が強く、ツマミとして最適です。ああ、ビールが飲みたい。
本題に入りましょう。炭火焼きの部です。「背肉のしょうゆニンニク焼き」「ぼんじりのしょうゆニンニク焼き」「ももの塩焼き」が1人前づつ。いずれも千円ほどです。
炭火の上に網を置き、セルフでジャンジャン焼いていきます。うーん、これは何とも美味しいですねえ。「料理宿やまざき」でも同じことを思いましたが、どのような技巧も素材の前では無力であると思い知らされました。箸休めに野菜スティックも。ニンジンの存在感が強く、野菜というよりも穀物に近い勢いを感じさせました。
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〆は「とり汁めし」。ごはんに鶏で取ったスープを注ぎ、鶏肉(鳥皮?)を細かく切ったものとネギをトッピングして頂きます。九州地方特有の甘い味付けに濃いお出汁の風味。徹頭徹尾、鶏肉のエキスに淫した夜でした。
以上を食べ、軽く飲んで(鶏肉の味が濃いのでノンアルビール結構飲んだ)お会計はひとりあたり5千円弱。うーん、なんと尊い。「ろばたやき山ろく」の奇跡を惹起させる費用対効果です。
お店そのものはお世辞にも綺麗とは言い難く、場面で大将がタバコをプカプカやり始めるので賛否は分かれるかもしれませんが、ここはそういうお店だと割り切って訪れれば問題なし。窓が開け放たれており蛾を始めとする虫たちがジャンジャン飛び込んでくるので、そういうのが苦手な方は明るい時間帯に訪れると良いでしょう。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。