六本木ヒルズの旗艦施設「グランド ハイアット 東京(Grand Hyatt Tokyo)」。部屋数は400近くレストランも10はあり、ビジネスでも観光でも利用される、東京を代表するホテルのひとつと言えるでしょう。安倍元首相が好んで利用し、年末年始ごとに1週間近く滞在したことでも有名です。
この日はロビー階にあるイタリアンレストラン「フィオレンティーナ(Fiorentina)」へお邪魔します。天井の大きな窓から太陽光が差し込み採光が最高です。天気が良ければけやき坂を望むテラス席を利用しても良いでしょう。しかしながら、客層ならびに接客は今ひとつですね。土地柄か清潔感の無い服装のニイチャンも平気で出入りしており、ママ会グループは手を叩き合いながらギャハハと声を上げて大騒ぎ。オフィス街のスタバのほうが品が良いかもしれません。
従業員たちもそのような客層に慣れっこなのか、心を失った機械のように事務的に淡々と作業を済ますのみであり、私がこれまで訪れたハイアット系のレストランで最もやる気が感じられませんでした。1年の間に100泊以上ハイアットに宿泊する私がそう感じたのだから、それなりに信憑性はあるはずです。
着席から20分以上経ってようやく供される本日のスープ。待たされる間、スタッフから何のフォローも無く私は軽くぷんぷん丸だったので、そのような気分で口にする食事の味など中くらいである。
フィオレンティーナ シェフズサラダ。お野菜がボウルいっぱいに山盛りで供されます。野菜の他には生ハムにエビ、イカ、ホタテに薄切りのハードチーズ。悪くないのですが、量の割に味が単調で途中で飽きが来ました。「クリスプ サラダ ワークス(CRISP SALAD WORKS)」のほうが重層的な味覚で私は好き。
パンは素朴ですが程よくジューシーで中々美味しい。ただ、忙しいのはわかるのですが、ガチャンと置いていくだけであり、もうちょっと愛想よく提供できんもんかね。港区スポーツセンターのスタッフのほうが余程感じは良いでしょう。デザートはイチゴのティラミスか栗のタルトかからのチョイスで後者を選択。これがかなりレベルが高く、ちょっとびっくりしてしまいました。一般的にホテルのスイーツは少人数の製菓チームが、レストランのデザートはもちろんショップで売られるスイーツやビュッフェのケーキ、果ては披露宴などの宴会のケーキまで館内の甘味の全てを請け負っているため、いきおい大量生産味になってしまいがち。当館の製菓チームの労働環境は存じ上げませんが、大箱ホテルの大量生産を感じさせないセンスの良い味わいでした。
食後は紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。平日ランチ限定の軽いセットメニューであったため、税サ込3,500円と外資系ホテルとしては良心的な価格と言えるでしょう。
一方で、冒頭に述べた通りレストランとしての雰囲気はあまり良くなく、ちょっと高級なファミレス程度の空気感です。重厚長大なコース料理もあるようですが、当店の雰囲気にはそぐわないんじゃないかなあ。カフェタイムにケーキとお茶でダベりにくるのが一番賢い使い方のような気がしました。
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六本木は難しい街です。おっと思えるリーズナブルな店から、高くてギラギラしてるだけのハリボテのようなお店も多い。私が好きなお店は下記の通りです。
- Takumi ←このコース料理で6,500円というのは安すぎ。
- ビストロ マ・キュイジーヌ (BISTRO Ma Cuisine) ←六本木でビストロと言えば当店で決まり。
- ブーケ・ド・フランス (Bouquet de France) ←がっしりと真正直で骨太なフランス料理。
- ル ブルギニオン ←質実剛健これが本物のフランス料理。
- エディション コウジシモムラ ←スペシャリテの牡蠣は必食。
- クッチーナ アッラ バーバ(Cucina alla Baba) ←老眼鏡が必要なほどメニューが豊富。
- s`accapau ←最先端でカッコイイ。
- アジュール45 ←さすがリッツ・カールトン。パーフェクト。
- ウルフギャング・ステーキハウス ←ランチのハンバーガーが絶品。
- 霞庭まつばら ←素晴らしくバランスの取れた和食店。
- 52(ゴニ) ←六本木深夜メシの決定版。
- ラ スフォリーナ ←六本木のきちんと美味しいイタリアンでこの費用対効果は素晴らしい。
- Reglisse (レグリス) ←謎のコスパの良さ。洋食推しなのも面白い。
- ラ ブリアンツァ ←全体を通して気前が良い。