シンガポールに本社を置くアスコットグループの「シタディーン(Citadines)」ブランドが難波に開業。既に東京に2軒、京都に1軒、今回の大阪に2023年の横浜開業と、日本での展開が着々と進んでいます。
ここ「シタディーン なんば大阪」は各線難波駅から徒歩10分と便利な場所とは言い難いのですが(いわゆる日本橋エリア)、昔から栄えてきた街であることは間違いなく東京の下町とはまた違ったエネルギーに満ちています。その活気に惹かれてか外国人観光客が非常に多く、日本人利用者はマイノリティではなかろうか。「ヒルトン成田」クラスの異国感でした。
また当館は国の重要文化財である「髙島屋東別館(戦前の百貨店としては国内最大級の規模)」をリノベしたという珍しいタイプのサービスアパートメントであり、百貨店建築が華やかで天井も高く、昭和初期の日本の威勢を感じることができます。同じ建屋の中の「髙島屋史料館」で当館の歴史を学ぶのも良いでしょう。
お部屋は「デラックスツイン」に予約を入れました。広さは30平米ほどであり、木のぬくもりを感じるモダンな内装です。このお部屋のリビングエリアは丸テーブルに椅子が2脚でしたが、ソファが置かれているお部屋もあるようです。
飾り付けや色使いが独特で、日本のホテルチェーンには中々見られることのないセンスです。ところで当館は堺筋に沿って建っており地下には当然に堺筋線が走っているのですが、その走行音が結構響きますね。このお部屋は最上階の7階にもかかわらずひっきりなしに轟音が響いており、気になる方は気になるかもしれません。もちろん終電後は静かです。
ワークスペースもきちんと確保されています。純粋なホテルというよりはサービスアパートメントという位置付けなので、装飾性よりも機能性に力点が置かれているような気がしました。各階の自動販売機コーナーに無料のウォーターサーバーが置かれているのが地味に嬉しい。
レジデンスなので冷蔵庫は空っぽで、その代わりに簡単な食器類や電子レンジも置かれています。
クローゼットは扉の無い剥き出し方。数泊の滞在であれば問題ないでしょうが、長期滞在となるとちょっと収納が小さいかなあ。
ウェットエリアは一体型で、一般的なビジネスホテルのそれを少し広くした程度です。トイレは独立型にして欲しいところですが、古い建物なので色々と対応は難しかったのかもしれません。アメニティ類はディスペンサー方式でした。
ところで6階に「レジデンスラウンジ」なるものがあって、ちょっとしたキッチン機能があり宿泊者は自由に利用することができます。コーヒーも無料で、お部屋で楽しみたい方は部屋からマグカップ持参でどうぞ。
歴史的建造物に泊まりながら内装はモダンでポップ、サービスも必要最小限という面白い試みのホテル(?)でした。「ハイアットハウス」や「ハイアットプレイス」に使用感は近いかも。過剰なサービスは不要だが機能性に拘る、といった方にオススメです。
(↓は当館のダイニング。現在は朝食のみ営業)
ヌメロ ファイブ
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