BENJAMIN STEAK HOUSE ROPPONGI(ベンジャミンステーキハウス)/六本木

東京ミッドタウンにほど近い場所にオープンし、日本進出を果たした「ベンジャミン・ステーキハウス(Benjamin Steakhouse)」。もともとは世界最強のステーキハウス「ピーター・ルーガー」のマネージャーとシェフが2006年に独立したお店で、本店はマンハッタンのミッドタウン、グランドセントラル駅近くにあります。私は2019年に本店を訪れたことがあるのが密かな自慢です。
店内は本店よりも照明が明るくスタイリッシュでハデハデな内装(写真は公式ウェブサイトより)。土地柄か客層が恐ろしく悪いですね。ドレスコードは定めていないとしても、客単価2-3万円の店でTシャツに半ズボン、ビーサンは無いでしょう。

ギャングの打ち上げのように騒がしいグループ客が近くにいたのでスタッフに苦情を申し入れると、ほんの数メートル先のテーブルに席を移動させてもらっただけであり、ギャングに対しては特に注意などしていませんでした。例え結果は伴わなくても、店としての姿勢を示すことは重要だと思うのだけれど。
酒はバリ高いですが、これ系のステーキハウスの値付けとはそういうものなので仕方ありません。ビールなどはさすがに常識的な価格設定なので、気になる方はそれらを注文すると良いでしょう。
アペタイザーはジャンボシュリンプにマグロのタルタルモッツァレラとトマト。エビはまさにジャンボなサイズであり美味。他方、マグロのタルタルモッツァレラとトマトはスーパーの総菜レベルでありビタイチ旨くありません。まあ、これ系のステーキハウスの前菜とはこんなものである。
スープは「ベンジャミンスープ」か「ロブスタービスク」かの選択制で後者をチョイス。確かにロブスターの風味は感じるものの混ぜ物が多くピントがボケボケの調味でありイマイチ。フランス料理愛好家にとっては軽薄な味覚に感じました。
2種のパンはまさにステーキハウスのそれといった味わいであり、つまり全然美味しくありません。もちろんマンハッタンの本店でも似たような味だったので、オリジナルに忠実と言えば忠実と言えるでしょう。
真打登場、USDA PRIME BEEF Filet Mignon。240グラムで頂きます。骨や脂身は一切無く純粋に赤身肉だけで240グラムなので、かなりの食べ応えがあります。グジュっとしたホウレン草やマッシュポテトなど、ああ、アメリカだとしみじみ感じる付け合わせ。
焼き加減はオススメのミディアムレア。ただしこれはアメリカ流のミディアムレアであり、日本で言うところのレアに近い火の通りなので、気になる方はスタッフに相談しておくと良いでしょう。ちなみに私は生肉原理主義者であるため、これぐらいでちょうど良く感じました。
お誕生日祝いだったので、デザートはホールケーキでお願いし、人数分にカットしてもらいました。こちらも由緒正しきアメリカンな大味で、砂糖の味覚が支配的です。食後のお茶は紅茶をセレクトし、ごちそうさまでした。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり2.5万円ほど。六本木で名の通ったステーキハウスで飲み食いすることを考えればこんなもんかもしれませんが、マンハッタンの本店に比べると明らかに割高で、そのあたりはライセンス料などが関係しているのかもしれません。

スタッフは外資系のホテルの従業員のように卒のない動きではあるものの、表面的なサービス以上の対応は全くできず、結果としてどんちゃん騒ぎOK・騒いだもの勝ちな客層が多い(先のギャングたちの他にもう1組そういう客がいた)。
この客単価であればある程度の雰囲気を期待して訪れるゲストは多いのと思うのですが、賑やかな客が日々繰り返し訪れるので、お店側も不感症になっているのかもしれません。接待や重要な会食では決して使用してはならず、それでも当店を起用したいと考える奇特な方は、追加料金を支払ってでも個室を利用することをお勧めします。

接待や重要な会食では決して使用してはなりません。大事なことなので2回言いました。

食べログ グルメブログランキング


関連記事
焼肉ではなく、洋風の肉料理をまとめました。ステーキやローストビーフがテンコ盛り。赤ワイン片手にガブガブ楽しみましょう!
レストランでの火入れを家庭で再現することに主軸を置いた稀有な本。「焼く」「揚げる」「ゆでる」「蒸す」「煮込む」「混ぜる」「漬ける」など、基本的な調理ほど論理的に取り組む必要があることを得心しました。肉の基本。これを知ると知らないでは大きく姿勢が異なります。