ソウルの観光地で真っ先に思い浮かぶのが「明洞(ミョンドン)」。この界隈で最も有名な飲食店と言えば「明洞餃子 本店(MYEONGDONG KYOJA、명동교자)」一択でしょう。
この地で1966年にカルグクス(麺料理の一種)専門店として創業し、あまりに有名となりすぎて店名をパクられるほどになったという大人気店です。
入り口でオバチャンに目配せすると2階に上がるようにと言われました(たぶん)。2階に上がりさらにオバチャンにアイコンタクトを送ると、「どこでも好きなところに座って」的な雰囲気です。店内は大忙しでどのスタッフもクルクルと走り回り、配膳ロボットも共に慌ただしく動き回っています。なかなか凄い世界である。メニューを貰い指差し注文し、クレジットカードで先払いするとものの2-3分で注文した料理が全て並べられました。ちなみに韓国ではキャッシュレス決済率が9割を超え、サインレスの店もかなり多い。なかなか凄い世界である。
まずは「マンドゥ」。誤解されている方が多いですが、当店はあくまでカルグクス専門店であり、餃子がメインのお店ではありません。この「マンドゥ」は皮は薄いものの具材はギッチギチに詰まっており、肉や野菜がたっぷり。見た目ほどに重くなく、パクパクと軽やかに食べ進めることができます。
スペシャリテの「カルグクス」。小麦粉を原料とする平麺を使った温かい麺料理で、「カル」は包丁、「ククス」は麺を意味します。鶏の力を感じさせるスープがとても美味しい。優しい味がする。鶏のミンチやワンタンもたっぷりで食べ応えがあります。しかしながら肝腎の麺は全然美味しくなく、名古屋の新幹線のホームで食べるきしめんのような味覚です。
こちらは「ビビムグクス」。麺は緑色で、クロレラが練り込まれているそうです。いわゆる汁なし麺であり甘辛い味覚。先の「カルグクス」に比べるとパンチはあるものの、全体としてはどこか物足りない印象です。
食事に自動的に付帯するキムチ。これはバリ辛いですねえ。味は嫌いではないのですが、私は唐辛子の辛味に反応してお腹ピーピーする体質なので完食は控えました。ちなみにこのキムチはお代わりOKで、言えばゴハンも付けてくれ、何なら「カルグクス」の麺の替え玉まで無料で用意してくれます。何て気前の良いお店なのでしょうか。
以上をふたりでシェアして合計3千円ほど。観光地ド真ん中の観光スポット的料理店でありながら随分と良心的な価格設定です。我々は土曜日の18時に訪れましたが行列は無く、あったとしても回転はかなり速いので、明洞を訪れた方は是非立ち寄ってみてください。ソウル観光の必修科目のひとつです。
関連ランキング:韓国料理 | 明洞 ミョンドン
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。