2022年秋にもなるとコロナも落ち着きを見せ始めたのですが、円安と原油高のダブルパンチで心理的に未だ欧米は遠い。であれば円安と原油高の影響が限定的な韓国を訪れておき、来たる大航海時代へ向けての準備運動を済ませておこうと目論みます。
羽田の第3ターミナルでチェックイン。私はJALのダイヤモンド会員様なのでいつでもファーストクラス利用客に準じたサービスを受けることができるのですが、そもそも渡航客が少ないためどのチェックインカウンターも空いており、ファーストクラスのチェックインカウンターを利用できるメリットは殆ど感じませんでした。
2022年11月時点においては、普通の日本人が普通の観光目的で韓国を訪れる場合、これまでのパスポート持参、航空券の予約などの基本的な手続きに加え、
- 「電子旅行許可制(K-ETA)」への登録申請(米国のESTA的な手続き)
- 「検疫情報事前入力システム(Q-code)」への登録
を事前に済ませておく必要があります。ルールはしょっちゅう変わるので詳述しませんが、かなりの事務処理能力・英語力・ITリテラシが求められるので、自信の無い方は旅行代理店を通じて予約を入れた方が賢明でしょう。ウチのオカンとか絶対無理だと思う。
ちなみに日本への入国の際はデジタル庁が肝入りで作成したサービス「Visit Japan Web」を用いて検疫・入国審査・税関申告に係る情報を事前に登録しておく必要があります。入国時に必要な手続きがひとつのwebサービスで完結するという、なかなか悪くないUI/UXです(あとはマイナンバーとワクチン接種情報、パスポート情報が紐付けできれば完璧だ)。前置きが長くなりました。2019年3月ぶりに「羽田空港国際線JALファーストクラスラウンジ」にお邪魔します。「成田空港国際線JALファーストクラスラウンジ」の利用は2020年2月が最後なので、いわゆるファーストクラスラウンジに出入りするのは実に2年半ぶりです。
こんなに空いているラウンジは見たことが無い、と思うほど空いています。ゲストはチラホラいるものの、その半分は外国人といった有様であり、何ならゲストの数よりも従業員のほうが多いレベルです。
コロナ前まではビュッフェスタイルの料理に加え、対面オーダー形式のややこしい料理などが用意されていたのですが、アフターコロナの現在は全てスマホからのオーダー形式に変わっていました。
特にアプリなどをインストールする必要は無く、卓上のQRコードを読み込んでチョイチョイ操作するだけなので、これはこれでありよりのありな仕組みです(画像はJAL公式ウェブサイトより)。シャワーもスマホから予約できるのは便利。
お食事に参りましょう。こちらはチョップドサラダ。クリスプサラダワークスほどの色気はなく、まあ細かく刻んだなというお気持ちです。飲み物についてはこれまで通りセルフでドクドク注ぎます。シャンパーニュにつき、以前はローランペリエやG.H.マムなどが自由自在で「山崎12年」までも用意されていたものですが、何やら随分とケチ臭いラインナップへとダウングレードされていました。ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスラウンジの泡はグラン・シエクル、アメリカン航空のファーストクラスラウンジなんてクリュッグやぞ。
海老グラタンに至っては冷凍食品と全く差異のない味わいであり、お腹だけが膨れました。
なお、残念ながらJOHN LOBBによるシューポリッシュサービスは提供を停止しており、再開の目途は立っていないそうです。
また、鮨カウンターである「鮨 鶴亭」も閉鎖されており、鮨が食べたい場合は前述のモバイルオーダーから注文する必要があります。外国人が「スシバーは?」とスタッフに質問しており「モバイルオーダーとなります」なんて回答は0点。そういうんじゃないだろう外国人が求めてるスシって。
久しぶりの海外旅行で完全に舞い上がってしまい、出国前から楽しい気分を味わうことができました。しかしながら日系エアラインのファーストクラスラウンジは世界基準で見ると激ショボであり(ドーハのカタール航空ファーストクラスラウンジがダントツ最強)、冷静に考えれば食事のレベルなどロイヤルホスト以下なので、ファーストクラスラウンジをそこまで神格化する必要はないでしょう。
結局のところ普通に空港レストランで上質な料理を楽しみ、その後はスタバ等で過ごしたほうが余程リーズナブルなのかもしれません。海外出張が多くダイヤモンドの背中が見えているのであれば少しの背伸びをするのは悪くない挑戦ですが、何でもない陸マイラーが必死こいて修行するには割に合わないステータスです。
もちろんこれは訪れたからこその感想であり、百聞は一見にしかずとの格言も根強い。であればまずはメルカリやヤフオクなどで「ファーストクラスラウンジ」のお試しチケットを購入し、その価値を確認してみましょう。それから修行に入るのも決して遅くはありません。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。