金沢屈指の観光地「ひがし茶屋街」の入り口すぐの場所にある「ひがしやま ちょう吉(ちょうきち)」。北陸新幹線が開通して金沢バブルとなる遥か昔に創業し、50年以上の歴史を重ねる老舗の焼鳥店です。2020年に改装し迫力のあるエクステリアに。
店内は厨房を取り囲むカウンター席が15席ほどにお座敷席。ひがし茶屋街の飲食店としては大きめの箱と言えるでしょう。
ランチメニューは「親子丼」のみであり、850円と観光地としては破格の値付けです。量はそれほど多くは無いので、普通の食欲の成人男子であればプラス100円で大盛りにしたほうが良いかもしれません。
主題の「親子丼」ですが、これは美味しいですねえ。焼鳥屋だけあって鶏肉はバリっと炭火で焼いておりスモーキーな風味が食欲をそそります。
卵の部分はつゆだくの半熟で、もはや親子丼というよりもスケールの大きい卵かけご飯のようです。完全に液状化しており箸で食べるのはほぼ不可能。スプーンを用いて飲むように食べるのが当店流。「マーボー豆腐は飲み物です」とは良く言ったものですが、当店の親子丼こそ飲み物です。
他方、お味噌汁やお漬物は一般的な定食屋のそれと同等です。親子丼のクオリティを前にしては仕方ないかもしれませんが、まあ、850円のランチのオマケと思えばそんなもんでしょう。
興に乗って同じ卵を用いたプリンも付けようとしたのですが、残念ながら売り切れ。これは大変大変悔しいので、日を改めて次回は夜にお邪魔してみたいと思います。あの鶏肉の香ばしさからしてディナータイムの焼鳥もきっと旨いに違いない。
関連記事
北陸新幹線開通前は秘境的な小京都として魅力があった金沢。開通後は客層が荒れだし、土日連休は東京のガチャガチャした人ばかりです。それは飲食店においても同様で、金曜日の夜から日曜日にかけての鮨屋など港区のちょづいた店と雰囲気は似てきています。きちんと食事を楽しみたい方は、連休を外して訪れましょう。
- 一本杉 川嶋(いっぽんすぎ かわしま)/七尾 ←能登半島にゴールデンルーキー現る
- レ・トネル(Les Tonnelles)/金沢 ←世界一炎上に耐性のないお店。
- ベルナール(BERNARD)/金沢 ←デジタルNG。大切な方と素敵な時間を過ごすためにどうぞ。
- Installation Table ENSO L'asymetrie du calme(インスタレーションテーブル エンソ ラシンメトリー ドゥ カルム)/金沢 ←ただ単にお値打ちというだけでなく、料理のひとつひとつが大変凝っており、しっかりと美味しいのが素晴らしい。
- A_RESTAURANT(ア レストラン)/金沢 ←イノベーティブ・フュージョン系では頭ひとつ抜けている。
- 味処 大工町 よし村/金沢 ←どこかの石油王の予約と取り違えているのではないかと心配したレベルの満足度。
- 銭屋(ぜにや)/金沢 ←金沢でしっかりとした日本料理を食べたいのであれば、いの一番に検討すべきお店。
- 鮨処あいじ/金沢 ←ガタッ!と、思わず立ち上がりたくなるような価格設定。
- 乙女寿司(おとめずし)/金沢 ←我が心の北陸ナンバーワン鮨屋。
- 壽司 なを㐂(すし なおき)/金沢 「金沢で良い鮨屋ない?」と東京の人間に聞かれれば、いの一番に推したい鮨屋。
- 鮨 志の助/金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
- 小松弥助/金沢 ←このクオリティでこの価格は恐ろしくリーズナブル。
- 蕎味 櫂(キョウミ カイ)/金沢 ←〆の食事に蕎麦が出る王道の日本料理店。
- 太平寿し(たへいずし)/野々市 ←小躍りしたくなるような費用対効果。
- ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE)/七尾 ←気が遠くなるほどの費用対効果の良さ。
- ラトリエ・ドゥ・ノト (L'Atelier de NOTO)/輪島 ←まさに「能登の食材を紹介する媒体」。