ヴィンチェロ(Vincero)/新宿御苑

新宿御苑駅から歩いて10分ぐらいの住宅街にある「ヴィンチェロ(Vincero)」。マンションの1階(半地下?)にあるイタリアンであり、曲線を描くガラス窓から店内のワイワイ感が伝わって来ます。食べログではブロンズメダルを受賞し百名店にも選出。
店内は入ってすぐの半個室風のエリアに奥にテーブルが数卓。地下にはワインセラーが設けられており、シェフのイタリアでの人脈を活かしてワインを直接生産者からゲットしているようです。

齋藤克英シェフは大学卒業後、エスビー食品で会社員生活をおくったこともあるという珍しい経歴。イタリア本国で腕を磨いたのち当店を開業。イタリア食材を輸入したり飲食店のプロデュース業に携わるなど手広く活躍されています。
当店はワインと食事のペアリングが基本です。お料理ひと皿づつに合わせて1杯用意して下さり、場面で追いつかないほどのペースで提供して頂けました。アルコールに理解のあるお店は大抵が良いお店です。
まずはガスパチョ。スープだけでも美味しいですが、ブッラータの酸味とコクが素晴らしい調和を奏でています。フリットはトマトでありカラっとした食感が心地よい。開始10分で胃袋を掴まれてしまいました。
続いてオマールエビのフライ。トッピングにキャビアも用いられており、世界屈指のエビフライと言えるでしょう。底に敷かれたソース(?)はトウモロコシをベースととしており、まったりとした甘さが実に心地よい。
ぶつ切りのアワビを黒キャベツやジャガイモと共に頂きます。戦慄とも言っていいほどの美味しさであり、ダメ押しにカラスミまで振りかけられて参りました。酒飲み歓喜なひと皿です。
パスタひと皿目は菜の花的な野菜を用いたソースで頂きます。やや苦味を感じる大人の味わいであり、フリットにしたアカイカとの相性もぴったりです。こんなに酒の進むパスタは中々ありません。
タリアテッレはポルチーニとトリュフ、チーズ。およそ考えられ得る限り最強の組み合わせであり、夢中で貪りついてしまいました。量についてもそのへんのOLのランチ一食分はありそうな特大サイズであり、全く満足したパスタでした。
メインはズバっとサーロイン。実に潔い調理であり、ワイルドでハングリーな味覚です。こちらも150グラムはありそうなポーションであり、そのへんのOLのディナー一食分はありそうです。
デザートはセミフレッドでしょうか。プリンのように親しみやすい味覚がアイスクリーム調に優しく固まっており、誰もが大好きな味わいです。
由緒正しきエスプレッソで〆。ごちそうさまでした。

お会計は全てがコミコミでひとりあたり2万円ポッキリ。このクオリティの料理を楽しみ、それぞれに合わせたワインをたっぷり楽しんでこの支払金額はミラクル。量もたっぷりであり、どのような大食漢が訪れたとしても満足すること間違いなし。

近所のイタリアンだと「Il Lato(イル ラート)」が素晴らしいですが、彼の店とはまた方向性が異なる迫力のあるスタイル。健啖家のお友達と一緒にどうぞ。

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