レストラン イソ(Restaurant ISO)/新潟駅

新潟駅の万代口から歩いて10分ほどの場所にある「レストラン イソ(Restaurant ISO)」。1日3組のみのフレンチレストランであり、ミシュランでは1ツ星を獲得しています。
町家を改装したお店であり、カウンターが6-7席、個室が1つという丁度良いサイズ感です(写真は公式ウェブサイトより)。

磯部冬人シェフは新潟県長岡市出身。東京のホテルで腕を磨きつつ、フランスでは「ピラミッド」「オテル マルティネス」など名だたるレストランで経験を積みました。帰国後は白馬や佐渡のホテルの厨房を預かった後、2016年に当店を開業。
お酒がお値打ちですねえ。生ビールは770円にグラスのシャンパーニュが1,320円、食事に合わせた5杯のペアリングでも5,500円です。当然にペアリングでお願いしたのですが、折り目正しくシャンパーニュから始まりフランスワインでフランス一周最高か。 
アミューズが凝っていて、地元の豚肉を用いたリエットをサブレで挟み、また、南蛮えび(甘えび)にカラスミを散らして酒を進めてきます。なんとレベルの高いお口取りでしょう。この時点で今夜の勝利を確信しました。
スープはナスが土台となっており、オクラやウニがトッピングされトマト風味のジュレで酸味と旨味を差し込むという構成。何ともセンスの良い味わいです。
マスカット映えるキュートなお皿ですが、中にはキジハタやサザエといった魚介類が詰まっています。ブドウの仄かな甘味とキジハタの脂質、サザエの歯ごたえが良く合います。
パンも素朴ながら勘所を押さえた味わいであり、フランス産の発酵バターと共に本物を知る味わいです。
アワビのリゾット。ふっくらと炊かれたアワビに地元のお米と枝豆がベストマッチ。サマートリュフの穏やかな色気も全体を上手くまとめ上げます。
アマダイはウロコ焼きで。魚の美味しさは当然として、フランス料理の王道とも言えるソースの味わいに頬が緩む。モダンでありつつ土台となる味覚はしっかりと押さえています。
レモンの氷菓で口腔内を整えつつ、、、
メインディッシュは越後牛。こちらも肉の味を素直に引き立てる中央突破な料理であり、肉の赤身とサシのバランスの良さを余すところなく堪能することができました。
デザートはフロマージュブラン(フレッシュチーズ)のアイスクリーム。ミルクのコクを爽やかに楽しみつつ、白桃やパッションフルーツの南方系の果物の元気さも見逃せない美味しさです。
お茶菓子も凝っていて、毎夜たった3組のゲストのためにここまで手の込んだもてなしをしてくださるなんて胸熱です。
雪国紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のお料理が14,300円で、ペアリングが5,500円。ひとりあたり2万円でお釣りが来ました。これはちょっと信じがたい費用対効果ですね。都心のちょづいたレストランであれば確実に倍は請求されることでしょう。

先に述べた通り、構成やプレゼンテーションは前衛的でありつつも風味の骨格は100%フランス料理であり、奇をてらうことの無い完全な美味しさを提供してくれます。

新潟にフランス料理店は少ないですが、当店にせよ「レストラン ウオゼン(Restaurant UOZEN)」にせよ評判の良いお店はちょっと信じられないくらいのレベルの高さを発揮してくれます。激しくオススメ。お邪魔した際はワインのペアリングを付けることをお忘れなく。

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