アユート(AIUTO!)/輪島(石川)

かつて広島で最も予約が取れないイタリアンとして隆盛を誇った「アユート(AIUTO!)」が輪島へ移転。輪島朝市からもすぐ近くの立地にあり、観光客はもちろん輪島ひいては金沢の民まで2時間かけてやって来る人気店です。
店内は厨房に面したカウンター席にテーブル席がいくつかで、トータルでは20席弱といったところでしょうか。この席数をほぼ一斉スタート(輪島は夜が早い)で回しているのはかなりのスピード感です。

村井宏治シェフは広島出身ですが能登の食材にほれ込み輪島へ移住。使用する食材も当然に奥能登のものが中心となります。
お酒は居酒屋級に安いですねえ。ボトルワインは2千円台から始まりグラスワインも500円かそこらです。いわゆる「水よりも安い」ゾーンに入っており、ゲストは皆、ガンガンに酔っぱらう傾向にあります。
お料理はプリフィクススタイルのコースでお願いし、前菜は岩ガキを注文。海のミルクとは良く言ったもので、まさに濃厚な乳製品のようなコクすら感じられる逸品です。
カルパッチョはクエとシマアジ。岩ガキと同様シンプルな調味ですが素材そのものが抜群の品質を誇ります。
1皿目のパスタは「フグ白子のクリームソース」。白子とパスタは私の知る限りありそうでない組み合わせであり、なるほどコッテリしっとりと形容不可能な味覚です。
2皿目のパスタは能登豚のボロネーゼ。これが豚肉かと驚くべき濃密な味わいであり、バジルのソースとダブルテイストで攻めてくるのもいとをかし。(たぶん自家製の)タリアテッレも文句なしの美味しさです。
お魚料理はシンプルにオーブンで焼いたカサゴ。ほどよく脂が乗ってジュシーです。
お肉料理は能登牛ランプのソテー。肉そのものは真っ赤に見えるのですが不思議と濃密な脂質も感じられます。
デザートは簡単なパフェにチーズケーキでフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上のコース料理のベースが5,500円。追加料金の料理がいくつかに2人でワインを1本半飲んで、お会計はひとりあたり1万円弱。東京のイタリアンのまさに半額といった価格設定です。地元の食材を多用し観光客にも嬉しいラインナップ。輪島に来てフレンチなら「ラトリエ・ドゥ・ノト (L'Atelier de NOTO)」、イタリアンなら当店で決まりです。

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「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。