せせらぎ通り沿いの「町屋ダイニング あぐり」。もともとは夜営業の居酒屋でしたが、このたびランチ営業を始め大変評判が良いとの噂を聞きつけたのでお邪魔しました。武家屋敷近くで、金沢屈指の人気パン屋「ひらみぱん」のお隣です。
町家をリノベした店内。1階はカウンター席にテーブル席。2階にも席があるようです。「ランチでも予約したほうが無難」とのことだったのですが、この日は余裕があるようでした。いずれにせよ予約ができるのであれば予約して訪れたほうが無難でしょう。
ランチは「あぐりのお昼ごはん」のみ。2,200円です。きちんとした釜飯が出てくるので、混雑時には時間を要するはず。時間に余裕を持って訪れましょう。
こちらは「8種の漬けやさい」で、カブ・ゴボウ・しめじ・春キャベツ・春菊・加賀太胡瓜・新玉ねぎ・ニンジンと、身体に良さそうなお野菜がたっぷり。サーモンやササミ肉、サワラや鴨ロースなども組み込まれており、もうこれだけで酒が2-3杯飲めてしまいます。
スープはジャガイモと玉ねぎをベースとしており、アクセントとしてエビの風味をきかせています。そのへんのランチのオマケスープとは一線を画し、手の込んだひと品でした。
メインのおかずは「能登豚肩ロース西京漬けの天ぷらとミョウガのきんぴら」。やはり手の込んだひと品であり、先の「8種の漬けやさい」を含めごはん泥棒な味覚です。ごはんは「稚鮎と加賀れんこんの山椒釜めし」。2千円かそこらのランチのごはんとしては実に気前の良い提案です。お米につき、石川は吉野谷村の農家から仕入れたものを用いているそうで、これぞ日本における最高の文化と思わず唸ってしまう美味しさでした。
デザートは「よもぎの桜餡ロール」で、よもぎの奥深い苦みと桜の淡い風味が良く合います。また、サービスでハーブティー的なものもお出し頂けました。以上を食べ、2,200円という価格設定は金沢の奇跡と言えるでしょう。金沢旅行者はどうしても海鮮系の昼食に流れてしまいがちですが、当店のランチは旅先だの金沢だのといった状況を凌駕するほどの満足感があります。金沢における我がこころの昼食の5指に入ります。予約してどうぞ。
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- レ・トネル(Les Tonnelles)/金沢 ←世界一炎上に耐性のないお店。
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- 小松弥助/金沢 ←このクオリティでこの価格は恐ろしくリーズナブル。
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- ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE)/七尾 ←気が遠くなるほどの費用対効果の良さ。
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