とりまぶし/中州(福岡)

福岡市民の主食である鶏肉にターゲットを絞った鶏料理専門店「とりまぶし」。名古屋名物の「ひつまぶし」をもじった「とりまぶし」と「水炊き」が主力であり、ランチのピークには行列が生じる人気店です。
店内は1階がカウンター8席に2階がテーブル20席。営業時間が10:30-22:00と幅広く、グループでの宴会コースでなければ予約もいらないので時間の読み辛い旅行者にとっては嬉しい存在です。従業員の仲が良さそうで心和みます。
私は名物の「とりまぶし」と「水炊き」が両方楽しめる「とりまぶし水炊き御膳」を注文。温泉卵を付けて2,310円です。
まずは水炊き部門。九州の銘柄鶏である「博多華味鳥」を用いています。スープに野菜やお肉のエキスが溶け出して美味しい。塩味は控えめなので、アジコイメ好きの方は塩を追加投入すると良いでしょう。
こちらは「とりまぶし」の部。4段階に分けて食べるのが王道だそうで、まずはそのまま。炭で炙った鶏肉が香ばしく、身はふんわりと柔らかい。なお、こちらも調味は控えめであり、原則的に薄口推しなスタイルなのかもしれません。
第2形態では薬味やら調味料やらを自分好みにトッピングし、こだわりマイブレンドを創り上げましょう。
第3形態では温泉卵を投入。軽く混ぜると半熟の親子丼のようにも感じられます。
〆に茶漬け風に水炊きのスープを注ぎ込みます。最終形態にしてようやく味覚が完成。天下一品の「あっさり」にライスを打ち込んだような味わいです。
べらぼうに旨くて絶頂に達する、という感じではありませんが、福岡の名物を手軽に楽しめるという意味で胃義のあるお店です。先に述べた通り営業時間が10:30-22:00と幅広く、予約も要らないという点で使い勝手の良いお店。福岡到着後の一食目ランチにどうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。