「世界初“ティーペアリング”を開発」と意気軒昂な「MAVO∞(マヴォインフィニティ)」。安井金比羅宮近く八坂通りに移転し、鉄板を設えたカウンター8席のフランス料理として再出発です(写真は公式ウェブサイトより)。開会にあたり「食べログなどの評価サイトへの投稿は絶対NG」とのことでしたので、今回は食べログには連携していません。
卵特集のひと品。底には卵黄が敷かれ、その上にイクラやら何やら。途中、クラッシュしたクルミが投じられるのですが、かなり酸化が進んでおり、思わず眉をしかめてしまう。「La Biographie(ラ ビオグラフィ )」のスペシャリテとついつい比べてしまいます。
目の前の鉄板でハンバーグが焼かれ、バンズに挟んで頂きます。これは素直に美味しいですね。まさにプレミアムバーガーのミニチュア版といったところで、脂の旨味と甘味が心地よい逸品です。
続いてホタテ。こちらも鉄板でヤキを入れてウニをトッピングし、キュウリをきかせたガスパチョと共に爽やかな味わい。肉厚のヒラメと特大のサザエをジャンジャン焼いて、肝のソースで頂きます。これはもう、どうやったって美味しいですね。ティーペアリングではなくワイン、何なら日本酒で楽しみたいところです。
メインは鳩とフォアグラのパイ包み焼きをリヒートしたもの。これはイマイチですねえ。鳩が完全に冷凍焼けしておりエグ味が強い。また冒頭のクルミと同様に付け合わせにトッピングされたプラリネも酸化しており無理でした。私は月に1キロ上質なナッツを食べる生活を送っているので、ナッツの品質にはうるさいのだ。
デザートはババ。悪くは無いのですが、せっかく鉄板という装備があるのだから、それを用いたデザートを作ればいいのになあと思ってしまう。パークハイアットの「八坂(やさか)」でできるんやからできひんことはないはずや。ミニャルディーズと共にお茶を楽しんでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べ、ティーペアリングをつけてお会計はひとりあたり2万円。ティーペアリングにつき、安物のワインに比べると手間暇がかかっているのは理解できましたが、中々にコッテリした料理が続くので、やはりアルコールが入らないと物足りないなあというお気持ちです。
今回はランチでお邪魔しましたが、ディナーで訪れたのであればゲストはその夜をどのように片付けるのだろう。二次会準備が必須な予感。他方、アルコールを受け付けない体質の方にとっては悪くないチョイスかもしれません。下戸会にどうぞ。
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