和洋葡yoshi(わようぶ よし)/壺屋(那覇)

ゆいれーる牧志駅から歩いて10分ほどの場所にある「和洋葡yoshi(わようぶ よし)」。1回転目は予約でいっぱい、2次会・3次会使いで人の出入りが絶えない人気のワインバーです。
顧客との接点はインスタとFacebookのみ。固定電話は無くケータイという、最近の沖縄スタイルなお店です。「ワインを飲まれないお客様はお断り」という、代々木「煮込みやなりた」を想起させる営業方針です。
白を基調とした店内で、どこか南国のリゾート地を彷彿とさせます。カウンター席7-8席にテーブルが3卓(だっけ?)。ウォークインのセラーもあって、オーナーソムリエのワイン大好きマン的雰囲気がひしひしと伝わって来ます。テーブル配置にゆとりはあるのですが、カウンター席は間隔チョイ狭めなので、気になる方はテーブル指定で予約しておくと良いでしょう。

丁寧に注がれたオリオン生は550円、グラスのワインは1杯千円かそこら。普通に飲み食いしてひとりあたり8千円強と、那覇の飲食店としては高額な部類に入るでしょう。
ところで連れの到着を待つ間、私は独りで杯を傾けるのですが、隣のカップルがずっと映画『タイタニック』の話をしており、女子が「あの時のオーランド・ブルームがさあ」と発言するので、(オーランド・ブルームなんて出演してたかあ?)と思わず私は脳内で勝手に会話に参加してしまいます。男子は即座に「ちげーよ、あれ、オーランド・ブルームじゃなくてブラット・ピットだよ」と自信満々に突っ込むので、元々わたしは黙っていましたが更に黙りこくってしまいました。

その後も「ブラピって他なに出てたっけ?」「最近だと『インセプション』だな」「クリント・イーストウッドの!」「クリストファー・ノーランだよバカ」「クリしか合ってないねエヘヘ」とエキサイティングな会話が続くので、少しも退屈しませんでした。嘘松じゃないですよコレ実話ですからね。
閑話休題、水茄子と島らっきょうのおかか和えです。当店はイタリア料理が主力ではあるのですが、居酒屋料理っぽい料理もオンリストされています。オーナーが代々木上原「オトナノイザカヤ中戸川」で培ってきた経験が光る瞬間です。
カツオ・クレソン・トレビスのサラダ。バリっと炙ったカツオがふんだんに用いられており、単にサラダというよりはツマミ的な食べ応えのあるひと皿です。
鶏の竜田揚げ。ほら、居酒屋みたいでしょう?ある意味当店の軸はワインであり、その周囲を何でもアリの旨いもんで固めるという異種格闘技的なお店なのかもしれません。
焼もろこし豆腐。とうもろこしのすり流しを葛で固めて揚げ出し豆腐的な状態に持っていきます。バターと醤油が聞いていて、まさに飲める焼きとうもろこしです。
キスとズッキーニのフリット、と題していますが、いわゆる天ぷら料理との垣根も曖昧であり、やっぱり王道の美味しさは万国どの地域も共通といったところなのでしょう。
〆の炭水化物に「うずらとマッシュルームのラグーソースパスタ」。2人前1,870円で、それをシェアして食べたのでこの写真は1人前です。うずらの美味しさは当然として、マッシュルームの風味が強くワイルドな味わい。麺も太く食べ応えがあり、本日一番のお皿でした。
デザートに「コンテのチーズケーキ」。コンテチーズの含有量が多く、思いのほかワインが進んだひと品です。
以上を食べ、そこそこ飲んでひとりあたり8千円強。冒頭の「ワインを飲まれないお客様はお断り」というスタイルからビビりながらお邪魔したのですが、そういえば私はワインを良く飲むお客様だったので、全ての恐怖は杞憂に終わりました。スタッフの方々も感じが良く、大人が心地よくグラスワインと旨いもんを楽しめるお店。那覇では珍しい存在。オススメです。

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