すし初/湯島

初夏のすし初。十年来、当店をご一緒してる古参のうるさ型が海外赴任から帰任したので、そのお帰りなさい会でお邪魔します。相変わらず先まで予約がいっぱいで、予定を調整するのも一苦労。
お酒はもちろんペアリングで。この日のラインナップはこんな感じ。黒い而今がキョーイチでした。また七賢に芋焼酎を少し加えてライチっぽいニュアンスを膨らませるカクテル(?)が面白い。
スナップエンドウにペコリーノ・ロマーノを散らします。鮮烈な青い味わいに塩気たっぷりのチーズが良く合う。
トロンとした甘海老を卵黄で和え、ウニをトッピング。これはもう、どうやったって美味しいですね。卵とは天然の最強ソースなのかもしれません。
お刺身は軽く炙って頂きます。ボテっとした厚切りホタテが抜群に旨い。
カツオを炙って温度玉子で和えます。バリっと香ばしいカツオにトロンとした卵がベストマッチ。やはり卵とは天然の最強ソースである。推量から確信に変わりました。
これはなめろうという料理に分類して良いのでしょうか、味噌を中心とした味付けつよつよのソース(?)にヒラメとタイを和えます。白身魚をここまでハッキリした調味で食べるのは珍しく、お酒がどんどん進みます。
スペシャリテがやってきました。たっぷりのブッラータにシャリを放り込み、これまたたっぷりのイクラとカニをトッピング。もはや反則と言って良い味わいで、土台となるシャリとチーズについても、シャリの酸味と乳製品のコクが良く合います。
シャリをウニとカニで混ぜたものをレモンに詰めます。こちらも先のブッラータに続いて反則ずる過ぎる美味しさであり、やはりウニとは天然の最強ソースなのかもしれません。
鮎の焼きびたし。仄かな苦みが大人な味わいを演出します。頭から骨までバリっと全部美味しい。連れがSEASONSを口ずさみ始めて超うるさい。古いんだよ。
信州のシャケをシンプルに塩焼きに。サイズ感が抜群で、これにゴハンとお味噌汁を付ければ立派な定食になるほどの食べ応えです。
にぎりに入ります。張り切ったラインナップでお料理を用意して頂いていたため、この時すでに腹8分目。もはや〆のお食事といった位置づけに近かったかもしれません。それでもタネは厚切り大ぶりで、旨い魚を腹いっぱいムシャムシャ食べる幸せがここにあります。

よく飲み、よく食べた夜でした。美味しかったし、何より楽しい。やっぱり古くからの馴染みの店があるっていいですね。食後も思い出話に花が咲き、翌日は夕方まで使い物にならないほどの二日酔いに苛まれました。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。