寿司栄(すしえい)/総曲輪(富山)

富山随一の繁華街「総曲輪(そうがわ)」のど真ん中にある「寿司栄(すしえい)」。予約は受け付けず、タバコNGはもちろんのこと、酒も提供しないというハードボイルドな鮨屋です。
何でもない時期の平日に訪れましたが、店内には3-4名の待ち行列。私が見た限り観光客はおらず、近隣の勤め人や百貨店での買い物ついでに立ち寄った年配の方が殆どです。入店時のアルコール消毒やアクリルボードの設置など、感染症対策につき意識が高い。鈍器のような湯呑みに醤油皿、ネタケース。気軽な雰囲気の町の鮨屋です。
私が「Bランチ(握り9貫、細まき1本 味噌汁)」を注文すると、光の速さでイカとマグロが供されました。イカは新鮮を具現化したような味わいで美味。マグロはシャケ弁のシャケサイズの大きさで、こんなに大口を開けてムシャムシャとマグロを頬張ったのは初めてかもしれません。
甘えび。ピカピカに輝く外観であり、濃密な甘味と旨味が喉を滑り落ちていきます。
紅ずわいがに。脚の部分が気前よく何本も巻き付けられており、四捨五入すると鮨ではなくカニでしょう。
お椀はシジミ。しかしながらベースとなるスープには海の幸の風味がたっぷり。
ハマチにバイガイ。いずれも信じがたいサイズ感で、長崎「寿司割烹あや」のにぎり5カン分ぐらいのサイズ感がありました。
シマアジはザックザックとした力強い歯ざわりで、その食感に感化されてか旨味まで増しているような気がします。
シャケも凄まじいボリューム。冒頭のマグロにて「シャケ弁のシャケサイズの大きさ」と記しましたが、それこそシャケ弁がやって来ました。醤油ドボドボに漬けてもシャケの味覚の体積が大きい。
イクラは流石に常識的なサイズ感で、不思議と箸休めのように思えてしまう。
巻物は梅に大葉にタクアンにキュウリに長芋。以上を食べて2,420円。ちょっと信じがたい費用対効果です。
気を良くした私は追加でジャンジャンお願いします。まずはサバ。刺々しさの無い穏やかな締め具合。これだけタネが大きいと酸味を強調し辛いのでしょう。
ゲソもあまりに大きいので半分にカットされて供されます。これ1カンで110円。コンビニのおにぎりよりも安い。ちなみにセットの料金はもちろんのこと、おこのみ注文についてもタネごとに価格が記載されている明朗会計なお店です。
こちらは地ダコ。タコ焼き3パック分ぐらいのタコの量であり、ムッシャムッシャというオノマトペが良く似合う食べ応えです。
アジは面白い形態で登場。お出汁の煮凝り・ジュレでしょうか、ノリが回転寿司みたいになってきた。
先のシャケが旨かったので、今度はそのお腹の部分を用意してもらいました。メタボリックシンドローム真っただ中という脂の量であり、下品なくらいに美味しい。
以上を食べて総額で3,900円。もちろん価格が価格なだけに色々と荒削りで鮨ヲタクの方に言わせれば回転寿司の延長程度と言われるかもしれませんが、2-3千円のランチとしては最高峰の食後感が得られる鮨屋です。

予約不可で並びさえすれば必ず入店できるというのも良いですね。私は飛行機で移動する際、到着直後の食事は遅延リスクを鑑み予約不要の店を訪れることが多いのですが、その「飛行機到着後の予約不要のランチ店ランキング」ではトップとも言える満足度です。究極のファストフードの世界へようこそ。

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観光地としてあまりパっとしない富山県につき、「幸福県」すなわち「恵まれた自然環境の下、住居・労働・教育などの都市機能が整備されている県」であることに目を付けた富山本。富山の魅力を様々な観点から紐解いています。