海のオーベルジュ志積(sea-auberge shitsumi)/小浜(福井)

福井県は小浜市、志積漁港で「民宿久兵衛」として営業していた民宿が「海のオーベルジュ志積(sea-auberge shitsumi)」として大幅にアップデート。目の前に海が広がり背後には山が迫る最高のロケーションで、ミシュランガイド北陸2021特別版にレストラン・宿それぞれで掲載されています。
集落に点在するかつて古民家をまとめてリノベーションした施設であり、集落全体がひとつの宿という位置付け。まずはレセプション棟の共用ラウンジで手続きを済ませます。自由に飲んで良いインスタントコーヒーに雑誌や書籍。元バックパッカーの血が騒ぐ演出です。
本館は民宿をリノベした部屋であり、バス・トイレが共用とのこと。我々はバス・トイレが付随する別棟のスイートルームを予約しました。
色々とヘンテコな動線ですが、民家を何とか改装したのだから仕方ありません。それでもリビングの窓から見える海岸線などには心安らぐものがあります。
ウェットエリアにつき、ベイシン・トイレ・シャワーがひとつの部屋に詰め込まれており、仕切りはガラス戸なのでカーテンを引く必要があります。
バスタブやレインシャワーなど無理くり詰め込んではいますが、やはり使い勝手は悪い。アメニティも東横インなどのビジネスホテルと同等かそれ以下なので、自宅から持ってくるのを忘れぬよう。
ベッドルームは2階。吹き抜けの天井がクールなのですが、階段が恐ろしく急勾配なので、お年寄りや子連れには厳しいでしょう。私は酔ってよく転ぶので、この夜はあまり飲まないようにしようと決意した瞬間です。
ベッドルームは採光が良く、海が良く見え、波の音が聞こえます。眺望は抜群なのですが、逆に言うと周りの民家や通行人からも丸見え。カーテンは手動で閉め辛く、スイッチひとつでカーテンがブワーっと開く生活に憧れる者としては色々と厳しいものがありました。
ベッドルームから数段上がった場所にワークスペースとちょっとした収納があります。PC作業はこちらで行うのですが、やはりコンセントの位置などイケてなく、お手洗いや飲み物を用意するために1階を往復しなければならないのがとにかく面倒&危険でした。
お散歩に出ます。部屋の目の前はすぐビーチであり、水の中にはキラキラと輝かくお魚が散見されます。漁港の突堤には地元の釣り人がチラホラ。誰が捨てていくのか漂着物なのかゴミが結構多いのが悲しい。
ディナーは併設のダイニング「RESTAURANT UCHITOMI(レストラン内外海)」へ。地元の山海の珍味が大集合した絶品料理の数々で本当に美味しかった。詳細は別記事にて
朝食も同じダイニングで。明るい時間帯は景色が良く見えて素敵。
朝食はいわゆる焼魚定食なのですが、地元のお魚を七輪でバーベキューしていく方式で楽しい。へしこの塩気と旨味が強く、お酒が欲しくなる味わいです。
炊き立ての白ゴハンに、、、
ちょっとした小鉢たちも。旅館の派手派手な朝食に比べると品数は少なく感じますが、焼魚が究極に旨いので、これぐらいの品揃えでちょうど良く感じます。
ゆうべの魚介類を用いたアラ汁で〆。ごちそうさまでした。
ということで、食事は素晴らしいものの、宿泊施設としては作り込みが甘く感じました。素泊まりで4万円近くしてこの狭さと使い勝手の悪さはいかがなものか。当館には食事だけを摂りに来るのが勝ちパターンでしょう。しかしながら近隣に小綺麗なホテルがあるわけでもなく、色々と難易度が高い地域です。ここはひとつ割り切って、バストイレ共用の一番安い部屋を利用するのが最も納得感があるかもしれません。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。