1948年創業の「山本まんぼ」。「祇園ねぎ焼 かな」や「お好み焼き 吉野(よしの)」と並んで京都の粉モンを語る上では外すことのできない有名店。テレビなどにも多数取り上げられており、食べログでは百名店に選出されています。
立地は京都駅から徒歩10-15分ほどと観光客にとってアクセス良し。以前もご近所で営業されていたそうですが、再開発の関係で2020年に現在の地に移転リニューアルオープンを果たしました。老舗の割にピカピカであるのも納得。
店内中央にメインの鉄板があり、そこで調理を済ませると客席前にある鉄板へ料理が配備されるという仕組みです。L字型カウンターにテーブル席もあるため、おひとり様でもグループ客でもOK。
酒は1杯500円前後であり、大ビンであっても700円という良心的な価格設定。お好み焼きや焼きそばのような王道系メニューの他、牛スジ焼きやホルモン焼き、野菜焼きなどのおつまみメニューも充実しており、ちょっとした飲み会にも良いかもしれません。スペシャリテの「まんぼ焼き」。もともと京都には「べた焼き」という、クレープ状の生地を焼き、その上に具材を乗せていくご当地の焼き物があるのですが、「まんぼ焼き」はその進化系。個別に調理したたっぷりの焼きそばを挟み込むため、四捨五入すると焼きそばです。生地に具材を混ぜ込んでから焼く大阪風や山ほどの千切りキャベツを用いる広島風とはまた違った料理です。
卵は「よく焼き」「半熟」「生」から選ぶことができるのですが、ここは通ぶって「生」をチョイス。もちろん手元の鉄板にも熱は通っているので、自分の好みに火を通すことができます。焼きそばは次第にカリカリと焦げてくるので、その食感の変化も見どころです。ちなみにソバではなくウドンを選択することもできます。
隠れた名物の「京風出し巻」も注文。鉄板の上に広々と卵液を流し込み、コテでクルクルと器用に巻いていきます。これはもう、絵的に楽しい。味についても一般的な出汁巻きよりもお出汁の量が多く、こんがり焼けた茶碗蒸しといった風情です。
以上を食べ2千円と少し。どんなに派手に飲み食いしてもひとり4千円ほどに落ち着くことでしょう。「祇園ねぎ焼 かな」や「お好み焼き 吉野(よしの)」は店構えも客層もハードボイルドすぎるきらいがあるため、京風お好み焼きにつき、普通の観光客はまずは当店から始めてみると良いかもしれません。「まんぼ焼き」は麺に火が通るまで時間を要するため料理の提供が遅くなりがち(決して手際が悪いわけではない)。時間に余裕を持って訪れましょう。
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