広東旬菜 一僖（いっき）／祇園（京都）

京都は東山安井、八坂神社から南へ徒歩5分の場所にある「広東旬菜 一僖（いっき）」。地元のフーディーの間で根強い人気を誇る中華料理店で、ミシュランではビブグルマンを獲得。食べログでは百名店に選出されています。
カウンター4-5席にテーブルが3卓の小さなお店です。カウンターにはネタケースがあり、元々はお鮨屋さんだったのかしら。

下村一太シェフは神戸オリエンタルホテルやウェスティンホテル大阪などホテル系の中華料理店を経て独立。店名に「広東旬菜」と記されているとおり、広東料理が主力のようです。
ブラウマイスターが750円と、立地を考えれば良心的。その他のお酒も実にリーズナブルな価格設定であり、酒で儲けるのではなく料理で勝負といった矜持が感じられました。
さっそくスペシャリテの「プリプリエビワンタン　香りねぎホンコンしょうゆ」を注文。1,500円です。たっぷりの白髪ねぎに大量のネギ油をジュワっとかけ、香ばしく頂きます。
このエビワンタンは美味しいですねえ。まさにプリプリといった食感であり、噛みしめるたびにエビの甘味と旨味が口の中で弾け飛びます。醤油ベースのソース（スープ？）も開放的な味覚であり、このひと皿ですっかり当店のファンになってしまいました。
続いて「一僖スブタ」は1,400円。ただの酢豚ではなく豚の軟骨を用いたもので、ねっちりとしたゼラチン質が後を引く美味しさ。黒酢のきいた餡もキレの良い味覚であり、脂っこいはずなのにスッキリ食べ進めることができます。
〆の「広東風チャーハン」は1,100円。具材が豊富、かつ、米との混ざり具合が完璧。フワっとパラっと食べ進める手が止まりません。決してどぎつい調味ではないのですがクセになる味わいであっという間に完食。東京の客単価4万円の中華料理店のチャーハンとは何だったのかと思わず苦笑いしてしまいました。
以上を食べ、1杯飲んでお会計は5千円チョイ。大大大大大満足です。料理のベクトルは異なりますが、目黒「サエキ飯店」のような疾走感の感じる食事であり、それでいて全く食べ疲れしません。コースもあるのですがアラカルト注文するのが吉。仲良しグループで訪れ、その日の料理で食べたいものを好きなだけ注文すると良いでしょう。オススメです。

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