京都は福知山で一番のレストラン「柳町」。明治時代の町家を改装した風情ある外観。お向かいには姉妹店の「鳥名子(とりなご)」があり、すぐ近くに共用の駐車場が20台近くあるので便利。
店内も町家の雰囲気を上手く引き継いでおり、中庭の存在にも心和みます。お座敷もあって、子連れはもちろんちょっとした会食にも使えそうです。スタッフはアルバイト中心ですが総じて元気でテキパキと動き、これだけの大箱をテンポ良くまわす運用設計能力に舌を巻く。
オーダーはもちろんスペシャリテの「鴨すき」を。夜のメニューと昼のメニューは分けられているのですが、「鴨すき」については共通して注文することができます。お花のように美しく並べられる鴨肉。中央にあるのは鴨団子です。
併せて大量にやってくる福知山産の九条葱。トンカツ屋のキャベツ5杯分ほどの盛り付けっぷりであり、これで2人前とは驚きの量です。今日の私は世界で最もネギを食べた漢ベスト100に入ること間違いなし。お出しは実に清澄で、キレイな油で揚げ物でもしているかのようにクリアです。まずは鴨団子をひと口サイズに取り分けて放り込みます。単なる鴨肉のミンチというわけでなく、様々な薬味も含まれており、鴨肉そのものの旨味と共にお出汁の味わいが強化されます。
さあ鴨肉です。宇治の山城農産が飼育する京鴨。ピンク色で可愛らしい外観ですが肉の骨格はしっかりとしています。脂も甘く、つけダレなどは全く不要。5秒くぐらせるだけのネギのシャキシャキ感も堪りません。
追加で〆の炭水化物。まずはお蕎麦。こちらも福知山市で生産される蕎麦であり、当店で製麺しています。お出汁の風味と相俟って、2千円以上する老舗の蕎麦屋の鴨南蛮を凌駕する味わいです。スープを余すところなく堪能しようと目論み雑炊セットも追加。雑炊に向けてカタカタに炊かれたお米に信念を感じる。濃厚な卵を半生の状態でズズズと口に含み至福のひととき。お米も卵も地元のもので、カジュアルなレストランながらここまでテロワールを意識したお店は中々ありません。
いやあ、美味しかった。鴨ってどこで食べてもすげえ高くつく傾向にありますが、当店の鴨すきは1人前2,750円と破格の価格設定です。ランチは親子丼や唐揚げ定食など千円ほどのメニューも活発で、この店の近くに住んで当店を日々の生活に組み込みたいレベルです。
ちなみに姉妹店の「鳥名子(とりなご)」は東京の三茶と恵比寿にも展開しており、また、
福知山市のふるさと納税返礼品として「鴨すき」も用意されているので狙い目かもしれません。今度は恵比寿店に行ってみようっと。
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