高丸電氣(たかまるでんき)/渋谷

先日お邪魔した恵比寿「晩酌屋おじんじょ」が大変素晴らしいお店だったので、その姉妹店にあたる「高丸電氣(たかまるでんき)」をすぐ訪問。「晩酌屋おじんじょ」から並木橋方面に歩いて10分ほどであり、ライフとかあのへんです。「氣」という漢字を見るのはチン・シンザンの「氣雷砲」以来かもしれません。
雑居ビル2階に位置し、ドアには看板も何もないので開けるのに勇気が要ります。内装は変わっていて、キッチンの中に客席があるというか何というか、アジアの屋台をフードコート化したような雰囲気。スタッフたちがゲストと同じ並びで賄いを食べているのもちょっとしたスパイスです。鉄板の油が客席まで普通に跳ねてくるので、汚れても良い服装で訪れましょう。
ビールは500円均一で、冷蔵庫からセルフで持ってくると100円引きになります。物理的なメニューは無く、QRコードを読み取ってスマホから確認するのですが、その過程において強制的にLINEのお友達登録をさせられるのは気味が悪い。またスタッフたちは皆若く、親しみ易いを通り越して馴れ馴れしい接客であり、どうでもいいグリーンピースのような話を延々繰り広げてくるので正直ダルいです。私は君たちとおしゃべりをしに来たわけじゃないのだ。
お通しは複数種類からチョイスすることができる「晩酌屋おじんじょ」スタイル。私が選んだのは厚揚げをアジアンテイストに仕上げたものであり、居酒屋のお通しとしては結構美味しい。
「肉味噌パクチー台湾サラダ」はお皿こそ小さいですがギュっと盛り付けられており中々の食べ応えです。肉味噌の味が濃く、サラダというよりは酒のツマミに近いかもしれません。
名物の「汁餃子」。いわゆる普通の水餃子であり、決して不味いわけではありませんが、何故これが名物なのかは理解に苦しみます。またこの料理を提供してくれたスタッフはついさっきまで店の裏でタバコを吸っていた若者であり、あまりいい気持ちはしませんでした。
「今日は良いカツオが入ったので!」と激しく推されたので注文したのですが、これが全然美味しくない。近所のライフで「よりどり3パック980円」ぐらいのクオリティであり、この程度のものを「良いカツオ」と表現する時点でお里が知れます。
目の前の鉄板で調理される「焼玉子」なのですが、スタッフがノーマスクでベラベラと話しながら調理を進めるので時節柄、気が気ではありません。加えて店内には爆音でクラブミュージック(?)が流れており、大声を張り上げなければ会話が難しいレベルなので、飛沫感半端ないです。
残念ながら残念なお店でした。姉妹店の「晩酌屋おじんじょ」が素晴らしい居酒屋なだけに逆感動もひとしおです。

厨房と客席が一体化しているのも良くないのでしょう。スタッフの手元がそっくりそのまま見え、調理技術の低さが詳らかにされるため食欲が減退します。ネギすらろくに切れない。

精励恪勤という言葉からは程遠い、学園祭の模擬店のような弛緩した空気のお店でした。他方、ビールの値段は500円と安いので、0次会や3次会にちょっと飲む、みたいな使い方ならアリかもしれません。

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