1962年に北九州で創業した「力飯店(りきはんてん)」。「牛肉の美味しさは赤肉にある」という信念のもと赤身肉にこだわり、天神に移転してからも押しも押されもせぬ人気を誇ります。食べログでは百名店に選出。
店内は想像以上に広く迷路のように入り組んでいます。常連向けのカウンター席に始まりテーブル席、個室などもあり、様々なシーンで使い分けできるでしょう。一方で、焼肉屋らしからぬ雰囲気と言えばそうであり、小綺麗な居酒屋のような内装にも見えます。
マスターズドリームは800円、レモンサワーは700円と、お料理の値段に比べると良心的な価格設定でしょう(コース料理は1万円)。私のお気に入りはマッコリで、飲むヨーグルトのようにグイグイいけます。ボトルで頼んでもよかったかもしれません。最初にナムル。かなりクタっと茹で上げられており、また、ごま油で激しく調味しているというわけでもなく、温かいおひたしのような中途半端な味覚です。
サラダは葉物野菜中心で中々のボリューム感であり(写真で1人前)食べ応えがありました。焼肉に入ります。冒頭に記した通り赤身肉推しの店であり、まずはシンプルに塩味でイチボ・シャトーブリアン・トモサンカク・カイノミ・サーロイン。いずれも健康的な味覚であり、パクパクと食べ進めることができます。
つくね。いわゆるミニハンバーグであり、かなり強めの調味がしてあって酒が進みます。ヤマイモのキムチ。酸味は穏やかであり、その代わりに甘味が目立ち、一般的なキムチとはまた違った魅力を湛えていました。
ホルモンはタン・ミノ・コリコリ(ハツモト、心臓に繋がる大動脈)・セセリ(首)。いずれも臭みはなくハッキリとした調味ならびに歯ごたえと相俟って、白米が欲しくなりました。
プチトマトでお口を整えつつ、、、スペシャリテの「焼きしゃぶ」。いわゆるーサーロインの部分を薄切りにしたものであり、サーロインの部分を薄切りにした味がしました。卵黄とかに浸して食べたりしたら美味しそうなのにな。
シマチョウにマルチョウ。やはり丁寧に下処理されており、雑味などは一切なく、代わりにコッテリとした脂の甘さが記憶に残ります。
変化球で鴨。この鴨は美味しいですねえ。コリっとした歯ざわりにムチムチとした食感。肉そのものの味が濃く、タレが余計に感じてしまいました。これはもっと大きなポーションで、フランス料理的な調理ならびに調味で楽しみたい素材です。
ラストスパートにモモ・トモサンカク・シャトーブリアン。いずれも美味しいのですが想定の範囲内という意見もあり、やはり赤身肉ばっかり食べ続けると飽きが来るのかもしれません。
1万円のコース料理に軽く飲んで、ひとりあたり1.4万円ほど。うーん、味は悪くないしそれなりに上等な肉を用いているのは理解できるのですが、個人的な気づきはありませんでした。一方で、子連れもOKでワイワイ騒いでも良い雰囲気なので、親族の集まりなどには使えるなと感じました。
- ろばたやき山ろく/山鹿市(熊本) ←熊本の奇跡
- 静龍苑(せいりゅうえん)/清澄白河 ←ベスト・ヤキニク・レストラン
- 焼肉いぶさな/参宮橋 ←味も値段も最高峰
- カウンター焼肉専門 焼肉おおにし/恵比寿 ←核心を突きっぱなし
- 肉匠堀越/西麻布 ←世界で最も白トリュフを食べた漢
- 王十里(オージュリ)/銀座 ←銀座で焼肉ならいつもココ
- 炭火焼肉 やまもと/石垣島 ←個人的に世界で最もリーズナブルな焼肉屋
- 牛蔵/富士見台 ←個人的に世界で2番目にリーズナブルな焼肉屋
- 焼肉BABY(ヤキニクベイベー)/不動前 ←店主の肉に対する愛情や焼肉に対する姿勢がすごくいい
- やさい村大地/赤坂 ←胃の8割方を占めるのは野菜
- 金竜山/白金高輪 ←食べログ焼肉1位4.37、その座席は数ヶ月先まで争奪戦
- 龍苑(りゅうえん)/川崎 ←普段使いの焼肉という意味では最高峰の美味しさ並びに費用対効果
- 焼肉北京/平間 ←使い勝手は悪いけど、費用対効果はかなり良い