恵比寿駅から渋谷方面へ歩いて7-8分の裏路地にある「晩酌屋おじんじょ」。食べログの点数は3.47でパッとしないのですが(2022年5月)、地元民からの支持率は非常に高い。予約が全然取れないので、もう面倒になって平日の16時にフリーで訪れると「1.5時間であれば」との条件で入店することができました。
店内はジ・居酒屋といった雰囲気で、カウンターが10席ほどにテーブル席がいくつか、靴を脱いで上がるロフトにもう数席といった設計です。予約の電話がひっきりなしにかかって来、その殆どを断っており、人気のほどが伺えます。
店員のみんなたちは感じ良く、私のことを「おにーさん」「おにーさん」と親しみやすく接してくれるので、体育会茶道部時代の上下関係を思い出しました。
当店は広島産レモンのエヴァンジェリスト。レモンを用いた飲み物だけで10種類近くあり、ダルビッシュが投げ分ける変化球のように多彩です。ちなみに当店のオーナーは広島県出身で、店名は広島の方言で「正座」という意味らしいです。
お通しは4種から選択することができ、私はキャベツとショウガのおひたし的なものを頂きました。お通しと言ってもランチのヘタなオマケサラダ以上のボリュームがあり、野菜不足の現代人の悩みを解決してくれます。
スペシャリテの「牛すじ豆腐の煮込み」。この煮込みはバリ旨いですねえ。肉そのものが上手く、脂が甘く、絹ごし豆腐のトロリとした舌ざわり。牛すじ豆腐は私の好きな料理のうちのひとつなのですが、高級店ではお目にかかることがなく、かといって大衆店では品質が限られるため、これだという牛すじ豆腐に出遭うことが中々できないのですが、今夜はその日だったのかもしれません(方向性は違いますが十番「魚と牛じゃ」のそれもかなり良い)。
数量限定の「鳥もつMIXユッケ風」。鶏のモツの様々な部分を低温調理したものであり、フランス料理でいうところの鶏の内臓のパテの固形バージョンといったところ。調味は控え目で素材の味そのものを楽しむのですが、途中で卵黄醤油をぶち込むとあっという間に酒のツマミへと変貌します。
「本日の春巻き」はガパオ風で、挽肉に大葉がたっぷりと包まれモッツァレラチーズが組み込まれ、外皮には生ハムが巻き付けられています。もはやアイデア商品を通り過ぎて何料理か意味不明ですが問答無用の美味しさです。何万円もするイノベーティブ系レストランのアミューズに出てきそう。
シグニチャーディッシュの「神明鶏肉汁焼き」。広島県は三原市のブランド鶏「みはら神明鶏(しんめいどり)」を塩・胡椒・ローズマリーで調味しシンプルに焼き上げたひと品。そのまま食べても美味しいですが、先のレモンを用いた「レモン塩」をのっけて食べるとサッパリとしつつ後を引く美味しさ。今回はモモ肉を注文しましたが、次回は手羽から胸にかけての部位をオーダーしてみよう。
土日は14時から開いているそうなので、週末昼飲みデートにも良さそう。次回は姉妹店の「高丸電氣」にお邪魔してみたいと思います。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- マッシュルーム(MUSHROOM) ←3皿取ってデザートやお茶までついて3,500円ってむっちゃ安くない?
- アリゴトゥール(Aligoteur Que du bonheur) ←美味しいを突き詰める旨いもの屋。
- 筑紫樓(つくしろう) ←ランチタイムは社会貢献活動かもしれませんが、それにしてもお得である。
- 鍈輝(えいき) ←コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。
- クンビラ(KHUMBILA) ←スパイスのオーケストラともいうべき複雑な味わいが五感に押し寄せる。
- ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア(BRACERIA DELIZIOSO ITALIA) ←ランチの信じがたい費用対効果。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- チャイニーズダイニング方哉(まさや) ←ランチの千円担々麺が絶品。
- 晩酌屋おじんじょ ←恵比寿で居酒屋ならコチラ。
- 蕎麦懐石 義(ぎ) ←飲み物付きランチコース4千円がほんとうにすばらしい。
- えびすの安兵衛 ←超行列店。高知名物「屋台餃子」を恵比寿の地で!