壱岐には大した宿泊施設が無いのですが(失礼)、その中ではダントツでミシュランに評価されたのが「壱岐リトリート 海里村上」。「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版」において、「5パビリオン(豪華で最高級の旅館)」として紹介されています。
入ってすぐのロビーからドーンと海が見えるのが良いですね。床もピカピカに磨き上げられており、外光が上下に反射してウユニ塩湖のようです。ちなみに当館は元々「海里村上」という温泉旅館であり、2018年夏に株式会社温故知新事業を継承し、リノベーションを経て「壱岐リトリート 海里村上」としてリブランドオープンしたようです。
チェックイン時間よりも大幅に早く到着してしまったので(船の本数が少ないので微調整が難しい)、レストランでランチを楽しみながら部屋の用意を待つことに。周囲は小さな温泉街であり、飲食店があっても夜からの営業が殆どなので、滞在中はいきおいランチも当館で摂ることになります。詳細は別記事にて。
お部屋の準備が整ったとのことで、ごちそうさまと同時にご案内頂けました。この辺りの柔軟性は大変ありがたい。お部屋は最上階の角部屋で、ロビーと同じくドーンと湯本湾が目の前に広がります。これぞオーシャンビュー。広さとしては67平米と広い。
テラスにはデイベッドと温泉の露天風呂。個別の客室まで温泉を引っ張って来てくれているのは嬉しい限り。夜間は明かりに虫が集まって来るので利用できませんが、日中であれば大浴場の露天風呂(後述)よりも眺望が良くお気に入りです。ちなみにテラスだけでなく、きちんとしたバスルームも用意されています。大浴場とテラスの露天風呂に浸かるのに忙しく、コチラは結局使わなかったけれど。
洗面所はシングルベイシンではありますが作業台が広々としており、女子がメイク道具を広げるのには便利でしょう。アメニティはディスペンサー方式であり、ラグジュアリーブランドのミニボトル的なものはありません。
トイレは清潔でウォシュレット完備なのですが、どことなく親戚の家のトイレ感があります。リノベって難しい。
お部屋に戻ります。コーヒー・紅茶はカプセル式のマシンが用意されており、冷蔵庫の中の飲み物はご自由にどうぞ方式。地元のクラフトビールが無料(というか込み料金)で楽しめるのは嬉しい。また、各部屋にウォーターサーバーが設置されているのは便利です。
クローゼットにはバスローブに館内着、パジャマ、足袋、スリッパなど色々あります。金庫が暗証番号式でなく物理的な鍵方式なのは歴史を感じる。
朝食は思いのほか豪華で、特製の野菜ジュースから始まり、サラダに多種多様の総菜、マグロのお造りと、ディナーよりも満足度が高く、「パークハイアット京都 」における「山荘 京大和」プロデュースの朝食に比肩する満足度です。
共用エリアに参ります。簡単ですがフィットネスセンターもあり、スポーツウェアもシューズも何もかも自由に使って良いのがいいですねえ。
自慢の温泉は源泉掛け流し(写真は公式ウェブサイトより)。茶褐色の色合いがすごくすごい体に良さそうです。ロビーやお部屋同様に最高のオーシャンビューですが、15時から夕方にかけては日差しが強烈すぎて露天は厳しい。日が暮れてからか、午前中に利用するようにしましょう。
夕食は湯元湾に沈む夕日を眺めながら楽しみます。詳細は別記事にて。朝食は思いのほか豪華で、特製の野菜ジュースから始まり、サラダに多種多様の総菜、マグロのお造りと、ディナーよりも満足度が高く、「パークハイアット京都 」における「山荘 京大和」プロデュースの朝食に比肩する満足度です。
とりわけ着席と同時に揚げ始める天ぷらが嬉しいですね。地元の名産アワビにタケノコ。朝食に天ぷらを食べたのは生まれて初めてですが、生まれてきて良かったと思わせる品質の高さでした。
ということで、立地やハコ、客層については申し分ないのですが、サービス面については東京の人間からするとリズムが違うというか何というか、シンコペーションを感じるセッションでした。
ということで、立地やハコ、客層については申し分ないのですが、サービス面については東京の人間からするとリズムが違うというか何というか、シンコペーションを感じるセッションでした。
またやはりネックは夕食であり、決して美味しくないわけではありませんが、「壱岐の高級旅館/ホテル」を自称し「ホンモノを追求した料理」と名乗る割に色々と中途半端に感じます。日本料理のように華やかな世界観は無く、かといって素材原理主義者的な思い切りの良さもなく、ゲストにどういう感動を与えたいのかの心の裡が見えない。
壱岐・対馬エリアでは最高峰かもしれませんが、世界基準で見ればまだまだであり、壱岐という僻地まで来て1泊10万円を払う客など放埒な生活を続けているに違いないのだから、その琴線に触れるにはもっと尖った何かが必要な気がしました。
ツイート
人気の記事
人気の記事
- タイ料理 みもっと/目黒
- 鮨料理 一高(いちたか)/大濠公園(博多)
- インスタ映えするヤクザたち
- 現役のCAに聞く、機内でCAをスマートにナンパする方法
- あるグルメな乞食の話
- イケアの倉庫で絶望し、アイケアの配送に発狂した
- 「男におごられっぱなしの女は風俗嬢以下だ」刃物でも抜くように夫は言った。
- 某高級鮨店において港区ババァが大暴走した話。
- 日本の男は皆ロリコン。フランスと日本のレストランを比較して抱いた違和感について。
- もう疲れた。うどんが主食氏の事件について1日5回は聞かれる。
- 「東京タラレバ娘」状態に陥った女子を救うたった1つの方法
- 旦那の悪口を言う女は一生幸せになれない
- バレンタインに手作りチョコだけは勘弁して欲しい
- 「お代は結構ですから悪く書かないで下さい」とシェフに懇願された話
- 3ヶ月前にトラブった例の店からの電話が鳴り止まない
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。