和食DINING壱／厳原（対馬）

対馬の中心地、厳原の飲み屋街にある居酒屋「和食DINING壱」。ガソリンスタンド屋のおっちゃんが「このへんだと一番いい居酒屋だねぇ（正確な方言は忘れた）」と太鼓判を押していたので、期待に胸を膨らませてお邪魔します。
店内はカウンターが7-8席に小上がりが3卓。ご近所の人気居酒屋「対玄（たいげん）」に比べると地元民の比率が高く、フリーの客は全員が肩を落としながら去っていったので、旅行者は必ず予約してから訪れましょう。
生ビールの大を注文したらとんでもないサイズでやってきました。ちなみに右は中サイズ。日本酒は対馬の日本酒「白嶽（しらたけ）」が用意されており、熱燗であれば2合で900円とお買い得。
お通しは、げ、カメノテだ。それも大量。味そのものは悪くないのですが、外観のグロさや食べづらさから、あんまり好きじゃない食材なのです。予約時に「カメノテが苦手です」って言える人もあんまりいないと思う。
気を取り直してお刺身の盛り合わせ。予約時に食べる量を伝えておく必要があります。穴子の刺身があるのはこの土地の醍醐味。そのほかのお魚も新鮮で美味。
野菜サラダはその名の通り野菜サラダなのですが、かなりドッシリとした盛り込み方であり、とりわけトマトの瑞々しさが記憶に残りました。
砂ズリ鉄板。何で対馬まで来て砂ズリ、と思ったのですが、連れが食べたいと言ったのだから仕方がありません。大事なのは変わってくことと、変わらずにいることだから。
魚の塩焼き。メニューに魚種の表記は無く仕入れ次第のガチャであり、この日はクロダイ。しっとりとした食感で、思いきり塩は振られているもののその奥にある甘味が乙な味。皮目のゼラチン質も実にジューシー。
魚のから揚げ。こちらはアラカブ。おそらくカサゴの一種でしょう。恐ろしく骨の多い魚ではありますが、思いきり強く揚げているため思いのほか食べ易い。旨味がギュっと詰まっており、衣の調味の強さと相俟って、ケンタッキー・フライド・チキンを食べているような感覚（誉め言葉です）。
以上を食べ、それなりの飲んでお会計はひとりあたり6千円弱。これだけ上質な魚をたっぷり食べてこの支払金額はリーズナブル。冬季やおでんや鍋類もやっているようなので、是非とも海鮮鍋にチャレンジしたい。対馬行きが決まればすぐに予約しておくべきお店です。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。