山元麺蔵 (やまもとめんぞう)/岡崎(京都)

京都、いや日本においてもトップクラスに難易度の高いうどん屋「山元麺蔵 (やまもとめんぞう)」。昔は100人待ち数時間待ちは当たり前だったのですが、整理券方式になり、電話予約方式になりと試行錯誤が続きます。

ちなみに2022年5月においては毎朝9時から当日分の予約を受け付け、指定された時間に訪れしばし待つと入店できるというディズニーのスタンバイパスのような仕組みとなっていました。
ネット上の情報では「100回かけても電話がつながらない」「つながるまで1時間以上かかった」などの悲鳴が流れていますが、店頭での予約も受け付けており、私は09:05に直接訪問すると瞬で予約することができました(直接訪問予約受付は数軒隣のテイクアウト専門店舗にて)。
オープン直後の回(10:20~)に予約したのですが、念のため10分前に到着しておくとそのまま店内にご案内頂けました。私以外のゲストたちもやや緊張した面持ちで全裸待機しておりワクテカです。

ちなみに店主のムッシュ山元は元Vリーグの選手(バレーボールのプロ)であり、スタッフも皆、体育会系というか何というか、元気溌剌といった雰囲気です。店主は手が空けば客席を周ってゲストと言葉を交わし、お会計の際には厨房の奥から飛んで出てきて挨拶をするなど、客商売の鏡です。
まずは「鶏ささみ天ざる」。1,100円です。「まずは」と記したのは、当店に訪れる機会は中々無いので折角だから連食しようという心の在り方です。ちなみにゲストの男子は皆、連食していました。
結論から申し上げますと、激しく旨いです。私がこれまでの人生において最も愛したうどん屋は名古屋の「うどんの千」なのですが、その愛情を軽々と超えていくミラクルな味わいです。

兎にも角にも食感が刺激的ですね。モチモチとした口当たりながらツルっとした喉越し、しかしながら噛み応えは恐ろしくタフという斬新な代物です。一本一本が太くて長く、「麺切りカッター」なる特殊器具まで用意されています。
「鶏ささみ天」もうどんに負けず劣らずボリューム満点で、鶏肉だけで純粋に150-200グラム近くあるのではなかろうか。讃岐うどん屋のように作り置きでなく、注文が入ってから揚げ始めるのも嬉しい限り。
続いて「香味油の牛と土ゴボウのつけ麺」。1,200円です。いわゆるラーメン屋のつけ麺のようなスタイル。麺の温度は冷か温を選択することができ、その麺を温かいつけ汁に浸して頂きます。
「香味油」とありますが辛味がビンビンというわけではなく、出汁をベースに凝縮された動物性の旨味が激しく踊り、まさしくラーメン屋のつけ麺のようなつけ汁です。ささがきゴボウと薄切りの牛肉が絡まり合い、「ざる」とはまた違った方向性の旨さです。
ラーメン屋のつけ麺よろしく残ったつけ汁には割りだしが用意されており、1滴も余さず完飲。おなかタプンタプンやで。
サービスで杏仁豆腐もお出し頂けます。そこまで濃厚なタイプでなく華やかな風味であり、満腹でしたがチュルンと胃袋におさまりました。
いやあ、評判にたがわず美味しかった。これまでに私は香川を訪れ十数件の有名店にお邪魔してきましたが、そのどこより美味しかった。もちろん当店は讃岐うどん屋ではなく、もはや別モノの料理かもしれませんが、それにしても、それにしても美味しかった。

また、冒頭に「難易度の高いうどん屋」と記しましたが、朝9時に直接訪れて店頭予約を済ませ、予約時間までは徒歩5分の蔦屋書店&スタバ・平安神宮・岡崎公園・岡崎神社・京都市京セラ美術館・京都国立近代美術館あたりで時間を潰せば、ストレスを感じることはないでしょう。「とりあえず行ってみる」作戦が最も威力を発揮するお店に感じました。

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