ハイアットリージェンシー東京(Hyatt Regency Tokyo)/都庁前

西新宿は都庁の目の前にある「ハイアットリージェンシー東京(Hyatt Regency Tokyo)」。1980年に日本初のハイアットホテル「ホテルセンチュリーハイアット」として開業し、2001年に「センチュリーハイアット東京」に名称変更し、2007年に現在の形へリブランドしました。
しかしながらオーナーのホテル小田急が当館の売却を検討していることを日経がすっぱ抜きました。小田急は「当社が発表したものではなく、現時点で決定した事実もありません」との声明を発表しているものの、2021年3月期の28億1,200万円の最終赤字という数字を鑑みるに、売却交渉は進捗していると考えるのが自然かもしれません。
我々は週末に訪れたのですが、なるほどロビーは閑散としており、全746室の大箱とは思えないほどの静けさです。日経の報道によると「客室稼働率は20年3月以降、25%以下に低迷している」とのことで、ハイアットラヴァーとして私はとても悲しい。ちなみにロビーにあるシャンデリアはスワロフスキー製であり、開業当時で1基5,000万円もしたそうです。
お部屋は「ビューデラックスルーム・キング」にご案内頂けました。40年以上前の開業であるためハコそのものについては苔蒸しているものの、リフォームやメンテナンスは上手くやっているようで、思いのほか居心地が良いです。
クロームキャストのようなハイカラな設備はありませんがテレビは大型でHDMI端子も差し易い。おうちからFire TV Stickを持ってくると良いでしょう。ワークデスクもしっかりとしており、出張者がバリバリ仕事をこなすにもってこいです。ただし回線速度は私調べで下りが27Mbpsと、中の下といったところでしょうか。
高層階で眺望が見事、のはずなのですが、流石に都庁の存在感には圧倒されます。都庁を挟んで反対側には「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」が見えます。新宿中央公園の緑が目に優しく、クラブラウンジが9階と低層に位置しているのも、この緑を楽しんでもらうためかもしれません。
ミニバーはかなりヤバいですね。冷蔵庫が空っぽなのは良いとして、ポットはレトロな品であり、コーヒーカップなど紙コップです。
クローゼットはウォークインではなく一般的なものでした。
ウェットエリアもレトロですねえ。とは言え40年前の構造であることを考えればかなり頑張っているような気もします。部屋のテレビの音声が風呂のスピーカーと連動しているのも時代を感じる。
アメニティはハイアットリージェンシー系列お馴染みのファーマコピア。カナダのスパブランドのもので結構なハイブランドのはずですが、プレゼンテーションが下手でビジネスホテルの何でもないアメニティに見えてしまいました。 
お手洗いは完全独立型。古い時代に設計されたホテルはバスルームとの一体型が多いので、これは地味に嬉しい。
共用施設につき、フィットネスセンターはかなりショボイ。全746室の大箱とは思えないほどの設備の少なさであり、2021年にはプールも閉鎖されてしまったので、当館に運動機能は期待しないほうが良さそうです。
クラブラウンジも微妙。テーブルの配置が社食のようでロマンティックさに欠けます。酒の種類も限られており、カクテルタイムを満喫するには貧相なラインナップです。
ツマミについてはビュッフェ形式ではなくフルサービスで提供されます。が、まさにちょっとした酒のツマミ程度なので夕食の代わりにはならないのでご注意を。一方で、この程度のサービスに留めているので、ハイアットリージェンシー大阪のように食べ放題を期待した家族連れが群がることはなく、客層は安定していたような気がします。
以前は朝食をクラブラウンジでも提供していたのですが、コロナか何かで全ゲストがロビー階のオールデイダイニング「CAFFÈ(カフェ)」での利用を求められるようになったのですが、見て下さい、この行列を。詳細は別記事にて
とは言え、色々と書きましたが、1.5万円程度で泊まれるハイアットという意味では大変お値打ちかもしれません。一般的なビジネスホテルに比べるとサービスは段違いに良く部屋も広い。40年以上の歴史があるにも関わらず、それほど古さを感じることなく快適に過ごすことができました。

「アンダーズ 東京 (Andaz Tokyo)」「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」のようにホテルそのものを楽しむにはコンテンツ不足ですが、出張や旅行で寝に帰るという使い途では大活躍するでしょう。上手に使い分けてどうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。