新宿御苑駅から歩いてすぐ、シャルキュトリーを主力に置いたビストロ「Chartro(シャルトロ)」。シャルキュトリーとはフランス語で食肉加工品のことを指し、身近な食材ではハムやパテ、ソーセージなどが挙げられます。店名はシャルキュトリーとビストロを合体させた造語とのことです。
店内はちょうど良いサイズ感。カウンター数席にテーブルが3卓で15席ほどでしょう。おひとりさまでもカップルでもグループでもOKの使い勝手の良いお店です。
鈴木真太郎シェフは都内のホテルやレストランで腕を磨き、渡仏時にはレストランはもちろんシャルキュトリー専門店でも経験を積んだそうです。
ワインリストが楽しい。ほとんどがボトルで5千円前後なので気楽に楽しむことができます。グラスだと千円を切り、ひとりでサっと立ち寄ってカポっと飲んで帰る、そんな使い方にも良さそうです。アミューズはモンドール。フランスのルールで販売期間が限定されている高級チーズであり、トロっとした舌ざわりに濃密な乳製品のコクがクセになる美味しさです。
当店はアラカルト中心ですが、人数分に取り分けてくれるのが嬉しい。コチラは「ブッラータと生ハムのサラダ」であり、これで0.5人前。フランス帰りならではのボリューム感と言えるでしょう。
「カリフラワーと新玉ネギのポタージュ カプチーノ仕立て」が美味しい。フワフワ泡泡な口当たりから玉ねぎの深みのある甘さがよく響き、カリフラワーの土っぽいコクもスープに骨格を持たせます。客単価数万円のグランメゾンで供されても見劣りすることの無い逸品です。当店における必修科目、シャルキュトリー盛り合わせ。くわー、これはもう、フランス料理愛好家歓喜のひと皿ですねえ。白眉は鶏の白レバームース。滑らかな舌ざわりのムースからはフォアグラもかくやという濃密な味わいを愉しむことができます。イチヂクのアダルトな甘味もセンスが良い。ワインがいくらあっても足りません。
メインは「エゾ鹿内モモのロースト」。これは真っ赤な肉だとハッキリ感じられる鮮烈な味わい。赤ワインソースも濃密で肉の迫力に負けていません。量もしっかりあって、大満足のひと皿でした。
デザートにモンブラン。アンジェリーナ的なモンブランとは異なり、和栗を用いた滑らかタッチです。そういえばパテやムースなど滑らかな食感の料理が多く、シェフは滑らか好きマンなのかもしれません。干し柿の奥行きのある甘味もグッド。
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デザートにモンブラン。アンジェリーナ的なモンブランとは異なり、和栗を用いた滑らかタッチです。そういえばパテやムースなど滑らかな食感の料理が多く、シェフは滑らか好きマンなのかもしれません。干し柿の奥行きのある甘味もグッド。
以上を食べ、ふたりで2本飲んでお会計はひとりあたり1万円強。うほー、これはまさにフランス本国におけるビストロでの費用対効果や満足度と同等ですねえ。これはいい、すごくいい。今回は真剣に飲んだので値は張りましたが、普通の飲食量に留めれば6-7千円に落ち着くことでしょう。こういうお店を使いこなせる人はとてもモテると思います。
ちなみにランチは前菜+スープ+主菜のプリフィクスコースで2,200円とお値打ち。次回はランチにお邪魔したいと思います。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- naoto.K(ナオトケイ)/神田錦町 ←近い将来、当店は必ず超予約困難になります。かけてもいい。
- 銀座 大石/銀座 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に。
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。
- ル マルタン ペシュール(LE MARTIN PECHEUR)/吹上(名古屋) ←フランス料理という文化に対する並々ならぬ愛情を感じました。