おでん東大/栄町(那覇)

私は本格的にダイビングに取り組み始めてから10年近く経ち、沖縄には避寒と避花粉を兼ねて年に3か月ほど滞在しているのですが、その間、何度トライしても訪れることができなかった有名店が栄町「おでん東大」。この度コロナ様のおかげでお邪魔することができました。
以前は21:30頃オープンで深夜まで営業していたと記憶していたのですが、現在(2022年3月)の営業時間は17:00-23:00のようです。加えて以前は常に満席お店の前には常に行列の完密だったのですが、この日は18時を過ぎてもゲストの入りは7割程度でした。それでもマダムおひとりでのワンオペなので、諸々の提供には当然に時間を要します。時間には余裕を持って訪れましょう。
沖縄の場末の居酒屋としては珍しくエビスやプレモルもあったのでそちらで乾杯。中ビンで770円であり、栄町エリアとしてはやや高めの価格設定でしょうか。
スペシャリテの「焼きてびち」は注文してから焼き上がるまでは1時間以上を要するので、サイドのツマミで繋ぎます。まずは島らっきょう。シャクっとした食感に独特の香りが鼻腔に響きます。
「ミミガー&マメの刺身」は200円。ミミガーはお馴染み豚の耳皮で鉄板の味わい。マメとは豚のハツのことで、ちょっと冷凍焼けしているような風味が気になりました。まあ、これだけ食べて1皿200円なのだから多くは求めるまい。
おでんの盛り合わせは1,540円。てびち入り/無しをリクエストできるのですが、ネクストバッターズサークルに「焼きてびち」が控えているため、てびち抜きで盛ってもらいました。沖縄のおでんダネ特有の葉野菜とウインナーの存在感。
真打登場「焼きてびち」です。注文から80分経過後に着丼と、カンテサンスも真っ青の火入れ時間の長さです。うちなーんちゅのエンジンはオリオンビールと泡盛で回っていることで有名ですが、その潤滑油として機能するのが豚足のゼラチン質です。

表面は心配になるほど思いきりの良い焼き加減であり、ガリガリっと食欲をそそる歯ごたえ。続いてコラーゲンのドロっと感が押し寄せて来、グロスを塗ったかのような食後感です。ちなみに写真は「小」でお好み焼き程度の大きさであり、隣客の「大」は座布団のようなサイズ感でした。
以上をふたりでシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり2千円強。うひょー、これぞ沖縄、これぞ栄町の美点とも言うべき費用対効果の良さです。一方で、営業形態が不明瞭なことと、予約は不可でせっかく訪れても満席の懸念もあることから、当店を目当てに那覇に来るのは負のリスクが大きいと言えるでしょう。

人類史上最高難度の居酒屋。近くに来たらちょっと覗いてみて座れたらラッキー、ぐらいのテンションで訪れると良いでしょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。