一般的に「沖縄料理」と言えば「ゴーヤチャンプルー」や「沖縄そば」を思い浮かべますが、「美榮(みえ)」は「琉球王朝宮廷料理」と称する本格派。那覇は久茂地エリアに位置し、県庁前駅から歩いてすぐ。たいへん有名なお店なので、タクシーのドライバーに「久茂地の美榮(みえ)」と伝えれば大体は通じます。
1958年創業であり、古い木造家屋を用いた店づくりは雰囲気抜群。全席が個室であり、沖縄郷土料理の最高峰でもあるので、沖縄出張での会食に最適でしょう。
酒につき、オリオンビールは700円なのですが、泡盛になると途端に跳ね上がり、1合2-3千円といった価格設定です。たぶん古酒とかでええやつなんでしょう。個人的には果実酒(?)のフーチバー(ヨモギ)のお酒が独特の苦みがあって面白く感じました。まずは「フダンソウの白和え」に「島ニンジンの酢の物」。後者につき、酢の物と言いつつお出汁がしっかりときいた面白い味覚です。
宮廷料理的なウェルカムプレート。珍しい料理が色々盛り付けられているのですが、中でもカマボコが印象的。県魚とも言うべきグルクンを用いた自家製のカマボコであり、練り物というよりは、つくねというか何というか、新素材の食品のようで興味深い。
中身汁。言わずと知れた豚の内臓のスープなのですが、これが中身汁かと驚くほどクリアな味わい。酸味すら感じる強い鰹出汁の後押しもあって、これは内臓だと意識することなくスルスルと食べきってしまいました。
ンムクジアンダギー。紅芋と芋くずの揚げ物であり、ネッチョリとした独特の食感。それでいて外皮がカリっとしているのが関心を引きます。
蒸し物の盛り合わせ(写真を撮り忘れたので公式ウェブサイトより引用)。真っ黒けっけなのは豚ロース肉の薄切りにすり潰した黒ゴマを塗り付け蒸し上げたもの。刺激的な外観ですな。ご存じ「ラフテー」なのですが、先の「中味汁」に続いてこんなに綺麗なラフテーがあるかと驚愕する味覚です。
「ミミガー」もやはり透き通った味わいであり、もはや豚の耳なのか何なのかわかりません。中華料理のクラゲ料理に近い爽やかさです。
「クーブイリチー」は語感の通り昆布を炒ったもの。ネットリとした粘度を感じ、昆布特有の旨味を感じます。豚もちょこっと混ざっており、動物性のコクも出ている。
お食事は「豚飯(とんふぁん?)」といって、豚のお出汁でご飯を炊いたもの。これはちょっとキレイすぎる面もあって、もっと雑なじゅーしぃとかのほうが私は好きかもしれません。
デザートは黒糖のかんてん。こちらも沖縄感はあるのですが、料理好きなプロ主婦のお手製スイーツ感もある。
以上のコース料理が1.2万円で、軽く飲んでお会計はひとりあたり1.4万円といったところ。うーん、ぶっちゃけすげえ高いです。でもまあ、美食の追求というよりは歴史や文化を味わうための観光スポットであり、伝統工芸品に対してコスパがどうのこうのと無粋なことは言っちゃいけないのと同じっちゃ同じかもしれないです。食べる博物館へようこそ。
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