地味目な駅ながら謎にカレーについては激戦区である目黒。そのレッドオーシャンに代々木上原の人気店「ハルダモンカレー」がプロデュースの新店「SPICECURRY KERAKU(スパイスカレーケラク)」が殴り込み。目黒駅から白金台方面へ徒歩数分、カレーうどんの人気店「こんぴら茶屋」のすぐ近くです。
地下へ地下へと潜っていくのですが、店内は意外に広く開放的な雰囲気。厨房を囲むカウンター席に、テーブル席も結構あります。なんやかんやで20席近くあるんとちゃうかな。
ちなみに店名の由来は仏教の言葉の「快楽」や「煩悩から解放されて得られる安楽」を意味するそうで、カレー屋として妙に説得力がある。
カレーは日替わり。ベースとなるカレーが3種あり、お高いスペシャルなカレーがひとつ。この日は「スリランカチキンカレー」「ベニショウガポークビンダルー」「うおだしアサリカレー」「黒タン塩レモンキーマ」というラインナップであり、追加料金で「あいがけ」することもできます。私はスペシャルカレーの「黒タン塩レモンキーマ」をチョイス。1,500円です。
こちらは副菜という位置づけでしょうか。「ダル」という豆のカレーであり、豆の甘味がしみじみ旨い、滋味あふれるカレーです。
主役にして限定の「黒タン塩レモンキーマ」。赤坂の超人気焼肉店「らいもん」から仕入れている黒毛和牛タンを粗挽きにし、たっぷりのスパイスで炒めています。これはもうダイナマイトな美味しさですねえ。肉の旨さはもちろんのこと、瞳孔が開く調味がたまらん。今日はこの店に来て本当に良かった。
ライスは長い米の普通の米のミックスでしょうか。香り高くパラっとした口当たりであるものの、どことなく粘度も感じられ、リズムのある食感です。野菜の炒め物?ピクルス?もたっぷりであり、一般的にサラダと呼ばれる野菜たちよりも凝縮感があって本質を感じました。店内ではウズラの卵占いもやっているのでお楽しみに。
スペシャルトッピングの「骨付きもも肉のコンフィ」。フランス料理では定番の鶏肉料理ですが、当店では思いきりスパイスで炒めつけてオリエンタルな仕上がりです。これが、旨い。鼻腔をくすぐるスパイスに食欲が刺激されキマってしまいました。これがプラス500円で注文できるとは目黒の奇跡と言えるでしょう。
お会計は2千円。カレー一食と考えれば一見高くつきますが、黒タンの本質的な旨さに派手派手しいスパイス使い、骨付きもも肉のコンフィのボリューム感などを考えると、下手なビストロよりも数倍完成度の高いランチと言えるでしょう。また基本的にグルテンフリー・低GIというのも素晴らしい。「LAND(ランド)」「薬膳スープカレーシャナイア(Shania)」に並ぶ、目黒名物と言えるカレー店になる予感がします。オススメ。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。