名前のないイタリア料理店/松山

食べログにつき、松山の欧米系レストランでダントツの高得点を誇る「名前のないイタリア料理店」。百名店に選出されているのですが、旧店名「バールマツダ」時代に酸鼻を極めた炎上事件があり、怖いもの見たさでお邪魔します。
入店に至るまでの廊下にある張り紙「小さなお子様をお連れの方は10年後にお待ちしております」に胸が高鳴る。
店内は奥に広く、厨房に面したカウンター7~8席にテーブル席がいくつか。30席近くはありそうです。シェフならびにマダムは大変親切で、常ににこやかな雰囲気です。あの炎上騒ぎは何だったんだろう。
酒は安く、グラスワインはいずれも千円かそこらであり気持ちよく飲み進めることができます。ビールやカクテルなどもあり、気楽な雰囲気です。
アラカルトで自由に注文できるのが嬉しい。まずは大浜(今治あたりの漁場)のタイのカルパッチョ。最旬の時期に訪れることができ、これはもう、べらぼうに旨いですね。日本料理店などでは数切れだけ食べて後ろ髪を引かれる思いをすることが多いのですが、当店ではアラカルトのフルポーションで食べることができたので、私は幸せものです。
地元の魚介類シリーズで、タコのタリオリーニ。気前よくジャンジャンとタコが放り込まれており、タコの旨味に淫します。パスタは自家製の手打ちであり、タコの旨さと相俟って、きっと10年後も覚えている料理です。
お肉料理には「媛っこ地鶏」をチョイス。歯ごたえはマッチョでゴリゴリながら脂のノリも良く、肉そのものの味が旨い。シンプルな調理で、素材の本質を楽しむことができる1皿でした。ただ、このひと皿で4千円近い価格設定はちょっとたけぇなあとも思う。
飲んで食べてひとりあたり1.5万円ほど。素材ひいては料理そのものの味は文句なし。松山の家賃を考えるともう少し安いと嬉しいな。ところで普通に居心地の良いレストランでもあり、ネット上の噂などアテにならんなとつくづく思いました。こういった張り紙のセンスも私は好きだ。

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