やきにく華(はな)/松山(那覇)

那覇の大歓楽街「松山」にある石垣牛・黒毛和牛専門の焼肉店「やきにく華(はな)」。歌舞伎町的な土地柄のためか、同伴やアフターなどに長年にわたって有効活用されており、食べログでは百名店に選出されています。
店内は全席が個室または半個室状態であり、なるほどこれは同伴やアフターなどにうってつけの誂えです。価格も那覇の焼肉屋としては突出して高く、家族連れが立ち入れるような雰囲気でもないため、アダルトな客層が支配的です。
飲み物につき、那覇の焼肉屋としては高いのですが、このあたりの飲み屋としてはまあこんなもんかというところ。例えばオリオンビールが展開するプレミアムビール「75BEER」などは700円であり、酒屋の倍程度の値付けなので良心的と言えば良心的でしょう。
他方、「自家製白菜キムチ」は驚くほど割高です。ペラペラの葉っぱが4~5枚で700円で、コリアンタウンの10倍近い値付けです(そもそもコリアンタウンはキムチ無料の店が多い)。味も自家製と称する割に大したことなく、スーパーで売られている安物と大差ない味覚です。
キムチに思い入れの無い焼肉屋にロクな店は無い、との鉄則に従い席を立とうとしたのですが、「まあ待て、肉屋なんだから肉食ってから判断しよう」と連れからなだめすかされ、まずはアグー豚をエントリー。ってあれ?3千円かそこらの盛り合わせなのに、かなりしっかりした量であり、結構、いやかなり美味しいです。
先の盛り合わせには気前よくサンチュも付いてきます。脂たっぷりのアグー豚を葉っぱで巻いて、味噌ダレをたらしこんで、ひと口で頬張る。旨い。短気は損気とはこのことである。
こちらは「特上ハラミ」で2千円強。これまたしっかりとした量および質で大満足。フランス料理愛好家としてハラミを食べる機会の多い私ですが、このハラミの質は中々のものです。
「上ミノ」もフレッシュ。コリコリとした食感で後を引く美味しさです。また、当店のミノは細切り(?)で長いカット。色んなミノがあるのですね。
こちらは「やんばる若鶏」。焼鳥屋になった気分で遠赤外線で丁寧に丁寧に焼いていきます。ちなみに当店は排気ダクト埋め込み方式での炭火焼きであり、場面で脂がタレてファイヤーするので焼き方には気を付けましょう。
「特選焼きレバー」も雑味なく美味しい。惜しむべくは、時代の要請で刺しで食べれなくなったことですな。何でモチ食って喉詰まらせて死ぬのは良くって、生のレバー食って死ぬのはアカンねんやろな。
〆は「上カルビ」。程よい脂の乗りで美味しいのですが、クライマックスには少し荷が重い。やはり先の「特上ハラミ」のカリテプリの印象が強すぎたのかもしれません。
「冷麺」は850円なのですが、そこそこの量のキムチが入っており、冒頭の「自家製白菜キムチ」の値付けを勘案するに、400円分ぐらいのキムチが入っていました。

以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり8千円ほど。都心で同等の食事を摂ることを考えればリーズナブルと言えるでしょう。ただしキムチ、テメーはダメだ。

一方で、キムチのない焼肉は片目のない美女のようなものなので、いっそのことキムチが組み込まれた1人前7,800円~のコースを選ぶのもひとつの作戦かもしれません。キムチについて深く思い悩んだ夜でした。

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