「八坂の塔」すぐ近くにある「THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO (ザ ソウドウ東山京都)」。ホテル・レストラン・ウェディング事業を手掛ける「プラン ドゥ シー」運営のイタリアンレストラン。東山・高台寺エリアというウルトラ観光地に1,700坪という広大な敷地を擁します。
建屋は日本画家の巨匠「竹内栖鳳」が晩年を過ごした邸宅を上手にリノベしました。家具や照明なども凝っており、イタリアンレストランながら独特の雰囲気を奏でています。結婚披露宴などのバンケットでの利用も盛んだそうです。
庭園や建物の派手さからアルコールもお高いのかと思いきや、グラスワインは千円~と良心的な価格設計。我々は京都のクラフトビールからナパのシャルドネへをカラフェで貰うなど、かなり自由な選択肢がありました。アミューズにフォアグラを挟んだ小さな最中に、八つ橋テイストのゴボウ入り。京都っぽく面白い試みではあるのですが、最中の生地のクオリティがいまひとつでした。
冷前菜はスズキ。おお、このスズキは美味しいぞ。市場が未だ空いていないお正月の時期に訪れたため色々と覚悟していたのですが、思いのほか上質な個体で嬉しくなる。イクラの塩気や文旦の酸味と甘味もアクセントに丁度良い。
白子のフリットを淀大根と西京味噌で。これはもうイタリアンというよりも日本料理と呼べそうなひと品であり、期待通りの美味しさでした。
パスタが美味しい。マグロと九条ネギを具材にカラスミで塩気と旨味を加え、日本人好みする味覚で押してきます。麺の茹で加減もバッチリで、この大箱でこの安定した品質の麺類を出せるのは素晴らしい。
お魚料理のヒラメも中々の出来栄えで、素材そのものの美味しさに加え緑色のややこしいソース(?)もグッドです。
他方、メインのお肉は全然美味しくないですね。「平井牛」という由緒正しきビーフらしいのですが、個体差なのか調理なのか親の仇のように固く、ナイフで100往復してもカットできないレベルです。調味もそっけなく、忍耐を試されるひと皿でした。
〆にリゾット。聖護院蕪に生海苔が主力であり生ウニがトッピングされているのですが、生ウニの量が少ないというか何というか、窮余の策とも言うべき奥ゆかしいポーションだったので、これなら無い方が潔いかもしれません。つまり聖護院蕪に生海苔だけで充分に美味しかった。
デザートはアップルパイを崩した的なブツにバニラのアイスクリーム。これは可もなく不可も無く、見た目通りの味わいでした。
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ほうじ茶の羊羹と紅茶で〆。ちなみに敷地内には「御菓子艸堂」と称してお菓子作りもしているそうで、であれば先のリンゴパイもどきでなくもっと和を押し出しても面白かったと思います。
以上を食べ、軽く飲んで飲んで食べて1.5万円ほど。お正月特別メニューで少し割高なことを考慮に入れれば悪くない費用対効果です。純粋なイタリアンというよりはパスタが出る創作料理といった趣きでした。
ランチタイムは広いお庭の眺望も楽しめるでしょうし、何と言っても前菜・パスタ・メインを楽しんで3千円かそこらだそうなので圧倒的にお値打ち。まずはランチでどうぞ。
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